米司法長官「ロシア疑惑」報告書 機密情報除いて18日公表へ

米司法長官「ロシア疑惑」報告書 機密情報除いて18日公表へ
アメリカのいわゆる「ロシア疑惑」をめぐる捜査報告書について、アメリカのメディアはバー司法長官が機密情報などを除いた報告書を18日に公表する見通しだと伝えました。トランプ陣営とロシアの共謀が認定されなかったなどとする捜査の詳しい内容がどこまで明らかになるかが焦点です。
ロシア疑惑をめぐってはバー司法長官が先月24日、モラー特別検察官による捜査結果について4ページの書簡を発表し、2016年の大統領選挙の際にトランプ陣営とロシアの共謀が認定されなかったとしたうえで、トランプ大統領による司法妨害も証拠不十分だという判断を示しました。

これに対し、野党・民主党は、「疑惑が残ったままだ」として、機密情報などを含む報告書の全面的な公表を求めています。

こうした中、アメリカのメディアは15日、バー司法長官が400ページ近くに及ぶ捜査報告書を機密情報などを除いたうえで、18日に公表する見通しだと伝えました。

捜査報告書の公表についてトランプ大統領は「何も隠すものはない」と述べて潔白の証明に自信を示しています。

しかし、アメリカのメディアは、バー司法長官が送付した書簡は特別検察官の捜査結果を正しく反映していないという不満の声が捜査チームから上がっているほか、トランプ大統領に痛手となる内容が含まれているとも伝えており、報告書の公表で、書簡では触れられていない捜査の詳しい内容がどこまで明らかになるかが焦点です。

報告書の焦点

最大の焦点は、バー司法長官が議会に提出した4ページの書簡とのあいだにどれほどの“ギャップ”があるのか、言いかえれば、「バー書簡」に含まれていない重要情報があるのかどうかです。

仮にアメリカ国民が、バー長官がトランプ大統領に不利な捜査情報を意図的に隠したと感じるような内容が含まれていた場合、ロシア疑惑の問題が再燃し、大統領にとって打撃となる可能性があります。

そのうえで、特に注目されているのは、以下の3つのポイントです。

▽1 共謀の有無をめぐる捜査
バー書簡は、モラー特別検察官による捜査の結果、捜査の本丸だった2016年の大統領選挙でのトランプ陣営とロシアとの共謀は認定されなかったとしています。

ただ、投票の5か月前にニューヨークのトランプタワーで、トランプ大統領の長男のジュニア氏と、ロシア政府に近いロシア人弁護士が面会し、ロシア人弁護士が、民主党のヒラリー陣営に不利になる情報を提供することを持ちかけた疑惑が持ち上がっています。

さらにトランプ氏の選挙対策本部で幹部を務めていたマナフォート被告についても、ロシア人の政治コンサルタントと面会し、ロシアに対する制裁解除について議論したと見られています。

バー書簡はこうした面会について触れておらず、捜査でどんな証言が得られたのか注目されています。

▽2 司法妨害の有無をめぐる捜査
バー書簡によると、“共謀”に次ぐ焦点だったトランプ大統領による司法妨害の有無について、モラー特別検察官は「大統領が罪を犯したとは結論づけないが無実だともしない」として、結論を出しませんでした。

これを受けてバー司法長官は立件には証拠が不十分だと判断しました。

しかし、トランプ大統領に解任されたFBI=連邦捜査局のコミー元長官は、トランプ大統領から、元側近への捜査を中止するよう指示されたと受け止めたと主張しており、トランプ大統領に捜査を妨害する明確な意図や動機があったかについて、報告書がどこまで踏み込んでいるのか、注目されています。

▽3 大統領によるそのほかの違法行為の有無
3つ目は、大統領による“偽証”など、共謀や司法妨害以外の違法な行為があったかどうかです。

バー書簡はこれについて一切触れていませんが、大統領選挙選のさなか、ヒラリー陣営に不利な情報が、告発サイト、ウィキリークスから大量に暴露されることをトランプ大統領が事前に知っていた可能性があったことを元側近が証言しています。

アメリカのメディアによりますと、トランプ大統領は去年暮れ、モラー特別検察官に提出した書面での事情聴取の回答のなかで、「知らなかった」と述べたとされています。

報告書がトランプ大統領の“偽証”など、共謀や司法妨害以外の違法行為に言及していれば新たな問題に発展するおそれもあるだけに、その内容が注目されます。