タブレット端末使ったデジタル教科書 今年度から使用開始

タブレット端末使ったデジタル教科書 今年度から使用開始
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学校のデジタル化は加速するのでしょうか。今年度から、タブレット端末を使ったデジタル教科書を学校で子どもたちが使用できるようになりました。普及にはまだ課題もありますが、今後、教育現場が大きく変わる可能性があります。
デジタル教科書は、これまでの電子黒板やデジタル教材と違い、検定を合格した紙の教科書と同じ内容が子どもたちが使うタブレット端末に取り込まれています。
今年度から全国の学校で使用が認められました。

埼玉県戸田市は教育のデジタル化にいち早く取り組み、市内のすべての小中学校にタブレット端末やノート型パソコンを導入しています。
このうち戸田東小学校は、昨年度から教科書会社と協力してデジタル教科書の研究を始め、現在、4年生と5年生の授業で活用しています。

15日は、5年生の国語で児童文学作家、新美南吉の「飴だま」という物語を題材とした授業が行われました。
子どもたちは端末上で、気になった文章やことばを切り取って、一人一人自由にまとめて、その内容をクラスメイトと共有していました。
また、文字のフォントも読みやすい字の大きさにしたり、色も記述の内容に合わせて変えたりしていました。

デジタル教科書は、タブレット端末を使うことで学習を深めたり子どもたちが互いに学び合ったりできるのが特徴です。

女子児童の1人は「ノートを作りやすくて分かりやすいです」と話していました。

一方で先生には、従来のように知識を教えるだけでなく、子どもたちに議論を促したり、意見などを引き出す力が求められます。

授業を担当した岡田恵美教諭は「タブレットがあることで子どもたちの集中力が全然、違うなと感じました。教員も説明するだけの授業だけではなく、子どもたちの自主的な力を引き出すような進行役としての役割が求められていると思いました」と話していました。

デジタル教科書はまだ自治体による端末の整備が進んでいないため、今年度から導入した学校はまだわずかとみられますが、今後、普及が進めば、教育現場が大きく変わることが予想されます。

デジタル教科書とは

子どもたちは、タブレット端末を使うことで、紙の教科書に書かれた内容だけでなく、学習を深めたり、子どもたちが互いに学び合ったりできます。

文部科学省は、来年度から本格実施となる新しい学習指導要領が掲げる「主体的」かつ、「対話的な深い学び」や、ICTと呼ばれる情報通信技術の学校教育での活用などに役立つとしています。

使用にあたっては、学校や教育委員会が判断しますが、子どもたちに1台ずつ端末が用意されているのが条件です。

授業で使えるのも、健康面などへの配慮で各教科の授業時数の半数未満に制限されているため、従来の教科書と適切に組み合わせて使うことが求められています。

導入は全国で数十校

今年度、デジタル教科書は12の教科書会社が小学校から高校までの国語、英語、理科などの教科で、合わせて200点ほど制作しています。

これに対して、紙の教科書は全部で1200点ほどあるということです。

しかし、すでに導入した学校は主に教科書会社などと連携しているところにとどまり、文部科学省が把握しているだけで全国で数十校だということです。

低い無線LAN整備率

デジタル教科書の利点は、動画によって算数や理科などで実感を持って理解できるため、子どもたちの学習意欲が高まったり、正確な音声を聞くことで英語のヒアリング力向上に効果が期待できるといいます。

さらに、文字の色や大きさを変更できたり、障害のある子どもたちに細かい配慮ができたりするともいわれます。

一方、課題としては、通常の教科書のように無償で配布されないため、財政が厳しい自治体では、普及が進まないおそれがあります。

また、学校のインターネットに接続する無線LANの整備率も全国で34.5%にとどまっています。

また動画などにより、子どもたちが受け身の姿勢で学ぶようになると逆に理解が浅くなる可能性や、視力の低下など健康面への影響が出る可能性も指摘されています。