「電気グルーヴ」作品出荷停止 世界79か国6万人余が反対署名

「電気グルーヴ」作品出荷停止 世界79か国6万人余が反対署名
k10011884791_201904151740_201904151741.mp4
ミュージシャンで俳優のピエール瀧被告がコカインを使用したとして逮捕・起訴された事件を受け、レコード会社が作品の出荷停止などを行っていることについて、対応の撤回を求める6万4000人余りの署名が集まり、15日、レコード会社に提出されました。
この事件を受けて、レコード会社の「ソニー・ミュージックレーベルズ」は、瀧被告が活動している「電気グルーヴ」のCDやDVDなどについて、逮捕翌日の先月13日から出荷を停止し、店頭からも回収するなどの対応を取っています。

これに対して、インターネット上では対応の撤回を求める署名活動が行われ、先月15日から今月10日までの間に世界79か国から集まった6万4606人の署名が、15日、レコード会社に提出されました。

その後、署名活動の発起人が賛同者とともに記者会見し、発起人の1人で社会学者の永田夏来さんが「作品は作り手だけでなく、受け手の財産でもあるはずです。リスナーが好きな音楽を選ぶ自由を回復してほしい」と訴えました。

また、賛同者でミュージシャンの巻上公一さんは「作品は薬物とは関係のない独立したものなので、すべて自粛するという措置に理解できない違和感がある」と述べていました。

署名の提出を受けた「ソニー・ミュージックレーベルズ」は「電気グルーヴがたくさんのファンの方々に愛されていることを改めて認識しました。出荷停止などの措置については、今後の捜査や裁判の行方を見守りながら次の判断を検討していきたいと考えています」とコメントしています。

署名に多くのコメント

今回の署名には3600件余りのコメントも寄せられ、「なぜ過去にさかのぼってまで楽曲をクローズさせるのか」とか、「法令違反はとがめられるべきだが、アーティストとしての活動までは制限されるべきではない」、「過剰な自粛がむしろ異常」といった意見が見られました。

また会見に同席した、賛同者で社会学者の宮台真司さんは「今回のような表現規制の措置は、日本にしかない特殊な出来事です。そもそも人間の表現は法よりも大きいもので、表現に対する社会の扱いは法よりも寛容であるべきです」と話していました。

同じく賛同者でラッパーのダースレイダーさんは「レコード会社の判断を糾弾するのではなく、むしろ、なぜそういう判断をする社会になっているのかを考えるべきだと思います。出荷停止が長く続くほど、違法アップロードなども増える可能性があり、社会的影響を考慮するうえでもなるべく早く解除することが望ましいと思います」と述べていました。

日本ペンクラブ「作品に罪はない」

ピエール瀧被告に関連する作品の多くが公開されなくなっていることを受けて、作家や詩人などで作る日本ペンクラブは15日、「作品に罪はない」と題した声明を発表しました。

声明は、日本ペンクラブの吉岡忍会長の名前で発表され、「近年、芸能人やミュージシャンをはじめとする表現者が逮捕、起訴されるたびに、その作品が封印される事態が繰り返されている」としたうえで、これらが関係する会社の自主規制によるものだと指摘し、「結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている。このような風潮を、表現者の集まりである日本ペンクラブは深く憂慮するものである」と訴えています。

そして「こうしたさまざまな自主規制に対しては、音楽家や演出家、映画監督、作家などから『作品に罪はない』『作品と俳優は別人格』という声が聞かれた。文化の担い手でもある関係各企業はこのような声に真摯(しんし)に耳を傾け、事なかれ主義の自主規制に走らぬようせつに願う」としています。