ドコモ 通信料金と端末代金を分離 6月から新料金プラン

ドコモ 通信料金と端末代金を分離 6月から新料金プラン
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NTTドコモは国の義務化に先立って、通信料金と端末代金を分離した料金プランを6月1日から導入すると発表しました。通信だけの契約で料金は2割から最大4割の値下げになる一方、多くの利用者にとって端末代金の負担が重くなると見られ、今後負担軽減を検討するとしています。
NTTドコモは15日、吉澤和弘社長が記者会見を開き、6月1日から導入する新たな料金プランを発表しました。

新しい料金プランは、通信料金と端末代金をより明確に分離し、通信料金だけを見ると少なくとも2割の値下げになるとしています。

このうち、家族3人以上の契約と、2年間の契約の継続を条件にしたプランの場合、データの使用量が1ギガバイト以下だと毎月の通信料金が1980円と現在と比較して最大の4割の値下げになるとしています。

一方、一般的に「2年縛り」と呼ばれた端末代金と通信料金のセット契約は、来月31日で新規の受け付けを終了し、多くの利用者にとって端末代金の負担額が増えると見られます。

この結果、同じ端末を長く使い続ける人は料金の負担が減るものの、比較的短い期間で新製品などの端末を買い替える人にとっては負担が増えるケースもあるとしています。

このためNTTドコモは、今後端末代金の負担軽減を検討するとしています。携帯の料金プランをめぐっては、国が通信料金の値下げに向けて今の国会で端末代金との分離を義務づける法改正を目指していて、ドコモとしては法案の成立を待たずに全面的に取り入れた形です。

また、auのブランドを展開するKDDIも料金プランを見直すことにしているほか、ソフトバンクは第2ブランドの「ワイモバイル」で値下げを検討しています。

※価格は税抜き。

通信料 ドコモ「最大4割安くなる」

ドコモの新しいプランは通信料金だけをみると、2割から最大4割安くなるとしています。
新たなプランでは、ネット接続のデータ通信量が30ギガバイトまで、速度制限なしで使えるプランと、毎月のデータの使用量に応じて通信料金が変動する大きく2つのプランに分かれています。

このうち、4割安くなるのは、料金が変動するプランで、家族3人以上の契約と、2年間の契約の継続を条件にしデータの使用量が比較的少ない、1ギガバイト以下の場合です。

この場合、毎月の通信料金は1人1980円となります。これまでの同等のプランでは、家族3人で5ギガバイトを分け合う場合で単純計算で1人当たり1.7ギガバイトで3480円でしたから、およそ4割の値下げになるとしています。

また、2割安くなるのは、料金が変動するプランを1人で契約し、2年間の契約を条件としなかった場合で、新しいプランでは5ギガバイト以下の使用量で毎月6480円となります。従来の同等のプランでは、5ギガバイトで7780円でしたから、およそ2割の値下げになるとしています。

”2年縛り”はなくなるの?

通信料金と端末代金が分離されることで、NTTドコモの新たな料金プランでは、通信の契約を続けることを前提に、端末代金を実質的に割り引くこれまでの「2年縛り」は無くなります。

一方で、通信の契約を2年間続けることを前提に通信料金自体を割り引くプランもあって利用者に長期の契約を促しています。

また、新しいプランには端末代金の割引は盛り込まれておらず、多くの利用者にとって端末代金の負担額はいまよりも増えると見られます。

「2年縛り」切り替えの場合

ドコモは、新たな料金プランについて、来月22日から契約の予約を受け付けるとしています。ほかの携帯電話会社から移ろうという利用者に加えて、すでにドコモと契約をしている利用者も、新プランへの切り替えが可能となります。

このうち、ドコモの利用者でいわゆる「2年縛り」の契約期間の途中で切り替える場合、解約金を払う必要はありませんが、新プランでは端末代金の毎月の割引がなくなります。このため通信料金は下がる一方で端末代金の負担額は増えることになります。

ドコモ社長「先んじて競争力強化」

吉澤和弘社長がは記者会見で、ことし10月に「楽天」が新たに携帯電話事業に参入することを踏まえて、「市場環境が大きく変化する可能性も想定し、マーケットリーダーとして早め早めに実行に移した。先んじて競争力を強化する必要があった」と述べました。

そのうえで、「新料金プランの導入によって顧客基盤の維持とさらなる拡大を図って、中長期的な企業価値の向上に努めていく」と述べました。

また、端末代金の負担額は今よりも増えるという見方を示したうえで、「端末代金の補助が全くないというのはお客さまも購入しにくいので、お求めやすくするアイデアを新機種の発売に合わせて検討している。補助が全くないとは考えていない」と述べ、今後、端末代金の割引について検討する考えを明らかにしました。

携帯値下げの経緯 国のねらい

今回の料金刷新のきっかけは、去年8月の菅官房長官の「今より4割程度下げる余地がある」という発言でした。

大手携帯電話会社の主要プランの1か月の通信料金はパリで2554円、ロンドンで2505円となっている一方、東京は4割程度高い3760円になっているという総務省がまとめたデータが根拠の1つでした。

携帯電話料金は複雑で高いという批判は従来からあったこともあり、翌月には総務省が第三者の専門家らでつくる特別委員会を設け、料金引き下げに向けた議論を加速。
委員会で議論になったのは端末と通信をセットで販売し、高額な端末代の割り引きにかかる費用を、割高に設定した月々の通信料金で回収している仕組みでした。

いわゆる「2年縛り」などに代表されるこの仕組みはiPhoneなど高価格帯の端末が登場してから各社の間に広がりました。

しかし、端末を2年など比較的早いサイクルで買い替える人が優遇される一方、同じ端末を長く使っている人の通信料金が下がっていないと指摘されたのです。

このため、総務省は端末と通信を切り分けてユーザーが通信料金のみで比較・選択できるようになれば、各社の競争が促され、通信料の引き下げにつながると考えました。

先月、端末と通信の分離を義務づける法案を閣議決定し、今の国会で審議が始まっています。

菅官房長官 納得いく料金とサービスを

菅官房長官は午後の記者会見で、「政府として、個別の企業の経営方針についてはコメントを差し控える。一般論として、携帯電話は公共の電波を利用してサービスが提供される中で、料金が不透明、そして諸外国に比べて料金が高いとの指摘がある」と述べました。

そのうえで、「政府の役割は、事業者間で競争がしっかり働く仕組みをつくることであり、国会に提出している電気事業法の改正案の早期成立に取り組み、利用者にとって分かりやすく、納得のいく料金・サービスをできるだけ早く実現したい」と述べました。

中古スマホに注目

携帯電話代の毎月の出費をどうすれば減らせるのか。一つのカギとなるのが中古の端末の「活用」です。

中古端末を取り扱う買い取り販売チェーンの「ゲオ」の都内の店舗では、2年半前に9万円ほどで発売されたスマートフォンが状態が良いものは3万円余り、少しだけ傷があるものだと3万円弱と発売当時の3分の1程度の価格で販売されています。

このチェーンでは、利用者が抱く中古端末の品質やセキュリティーへの懸念を払しょくするため対策を強化しているということです。

名古屋市にある施設には全国の販売店が買い取った中古端末が毎月、全国から数千台単位で集まってきます。
ここではまず、特別のプログラムを入れて、意味のない「乱数字」を端末のデータに上書きし、元のデータが復元できないようにしているということです。

その後、画面のタッチ操作や、スピーカーの音声など20項目の動作や表面の傷などを確認し、最後に作業員がふきんや綿棒を使ってクリーニングをしたうえで販売しているということです。

「ゲオ」の富田浩計さんは「端末価格が高くなる中、売り上げが増えている」と話していて、昨年度上半期の中古端末の売り上げは前の年度と比べて25%増えたということです。

また、中古端末の買い取り販売会社と修理業者は、先月には共同で新たなガイドラインを作成していて、ことし10月以降には業者の認証制度も導入することにしています。

「リユースモバイル関連ガイドライン検討会」の粟津浜一代表は「今、中古携帯が注目をあびているので、ここでしっかりと安心できる端末を提供できるようにしたい。消費者の不安を払拭(ふっしょく)して市場拡大につなげていきたい」と話していました。

中古端末利用の現状

総務省が全国の消費者を対象におととし行った調査では、60%の人が「中古端末を利用したことがなく、今後も利用したいとは思わない」と答え、活用が進んでいないのが実態です。

その理由については、「バッテリーのもちが悪そう」「きちんと動作するかわからない」「衛生的ではないイメージがある」などといった回答が目立っています。

さらに中古の端末をめぐっては流通する台数が少ないことも課題です。総務省の調査でも、およそ62%の人が使い終わった端末を「みずから廃棄したり、保管している」と答えています。
「セキュリティーが心配」という声が根強いことが原因だとみられます。