東京パラまで500日 課題は選手強化とバリアフリー対応整備

東京パラまで500日 課題は選手強化とバリアフリー対応整備
来年の東京パラリンピックの開幕まで、13日で500日となります。日本は金メダル獲得22個という目標を掲げて選手の強化を進める一方、運営面では、バリアフリーに対応した宿泊施設や交通手段などの環境整備が課題になっています。
東京パラリンピックは、オリンピックに続いて来年8月25日から13日間の日程で22の競技が行われ、新国立競技場で行われる開会式まで13日で500日となりました。

ことしに入って代表選考が本格化していて、視覚障害者のマラソンでは、今月末のロンドンマラソンで世界記録保持者の道下美里選手が代表内定をねらうほか、競泳では秋の世界選手権で日本のエース、木村敬一選手など14人が出場権獲得と代表内定をかけて争います。

JPC=日本パラリンピック委員会は前回、リオデジャネイロ大会で夏の大会で初めて金メダルなしに終わったことを踏まえて選手強化を進めていて、金メダル獲得22個、国別ランキングで7位以内という目標を掲げています。

このため国は、重点競技として、陸上と競泳、去年の世界選手権で初めて金メダルを獲得した車いすラグビーや前回のリオ大会銀メダルのボッチャなど8つの競技を選び、助成金の増額などで選手強化を進めています。

一方、運営面では、各国から障害がある人が多く訪れることを受けてバリアフリー対応の宿泊施設の整備や車いすが利用できるバスなど交通手段の確保も課題です。

また、パラスポーツを通じた障害者への理解促進の取り組みも各地で行われていて、今後、パラリンピック本番に向けて環境整備と機運の醸成が一層、求められることになります。

車いす利用者の輸送も課題

東京パラリンピックに向けては、選手などの車いすの利用者がスムーズに移動できるよう輸送の環境を整えることが課題の1つになっています。

東京都のほか千葉、埼玉、静岡の3県に競技会場があり、大会組織委員会は、選手や関係者の輸送に1日当たり約1000台のバスが必要だとしています。

このうち、車いすの利用者に関しては、備え付けの専用リフトなどでそのまま乗り降りができ、車内ではシートベルトで固定し高速道路も走れる大型バスのタイプは国内に300台ほどしかないということです。

組織委員会は、大会に向けて半数に当たる約150台は確保のめどがたったということですが、選手や関係者がよりスムーズに移動できるようどれだけ台数を増やせるかが課題となっています。

自動車メーカーの「日野自動車」バス部の望月裕貴室長は「リフトつきのバスがパラリンピックの支えとなり、すべての人が自由に移動できることがレガシーとなることを期待したい」と話しています。

一方、公共交通機関の利用が求められる観客については、組織委員会は車いすのまま乗れる「ユニバーサルデザインタクシー」を競技会場と最寄り駅の周辺に数多く配車するようタクシーの事業者に協力を呼びかけることを検討しています。

観客増もどうする?

東京都の世論調査では、パラリンピックを直接、観戦したいと答えた人が16%にとどまっていて、大会に向けて会場の観客を増やしていくことが大きな課題となっています。

東京都は来年のパラリンピックで、すべての競技会場の客席を満員にすることを目標にしています。

都が去年9月、都民3000人を対象に行った世論調査では、パラリンピックをテレビやインターネットなどで観戦したいと答えた人は60%余りに上る一方で、競技会場で直接、観戦したいと答えた人は16%にとどまり、会場の観客を増やしていくことが大きな課題となっています。

都は今年度、競技団体と共催の形で9つ程度のパラスポーツの国際大会を開く計画で、この中で選手との交流や競技のルールの解説などを行って直接観戦する魅力を伝えることにしています。

また、今年度は「パラリンピック競技応援校」に指定した小学校など都内の30校の子どもたちにパラスポーツの国際大会などを観戦してもらう取り組みも始めるということです。

来年のパラリンピックのチケットの販売は、ことしの夏に始まることから、都は会場の観客を増やす取り組みをさらに強化していきたいとしています。