北朝鮮 キム委員長 国務委員長に再任

北朝鮮の国営メディアは、11日開催された最高人民会議でキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が国家機関を率いる国務委員会のトップ、国務委員長に再び選ばれたと伝えました。
北朝鮮では先月、国の予算や国家機関の人事、法律の改正などを決める最高人民会議の代議員選挙が行われ、新たに選出された代議員による最初の最高人民会議が11日、開催されました。

国営の朝鮮中央テレビは12日午後、最高人民会議の様子を放送しました。

この中で、キム委員長が、国家機関を率いる国務委員会のトップ、国務委員長に再び選ばれたとし、議場で出席者全員が立ち上がり一斉に拍手する様子が伝えられました。

キム委員長は2016年6月の最高人民会議で国務委員長に就任しています。

ただ、先月の選挙で、キム委員長が北朝鮮の最高指導者として初めて代議員に選ばれなかったことから、新しい役職に就くのではないかという見方が出ていましたが、国務委員長への再任となりました。

また、91歳と高齢で、去年、韓国を訪問するなど長年、要人との会談をこなしてきたキム・ヨンナム(金永南)最高人民会議常任委員長が第一線を退き、後任にキム委員長の側近のチェ・リョンヘ(崔竜海)副委員長が選ばれました。

最優先課題となっている経済の立て直しを担う首相には、北部チャガン(慈江)道のトップ、キム・ジェリョン氏が選ばれ、体制の刷新が図られました。

国営メディアは、非核化などアメリカとの関係については触れていません。

対米交渉担当の外務次官が昇格

北朝鮮の国営メディアが11日開催された最高人民会議について伝えた中で、北朝鮮で長年、アメリカとの交渉に携わっているチェ・ソニ外務次官が第1外務次官に昇格していたことが分かりました。

チェ氏は、去年6月にシンガポールで行われた史上初の米朝首脳会談や、ことし2月のベトナムでの2回目の米朝首脳会談に同行するなど、キム委員長からの信頼が厚く、昇格したとみられます。

ただチェ氏は先月、非核化をめぐる協議について「アメリカはわれわれから成果を引き出し、自分たちの政治的な功績づくりに利用しようとしているだけだ。アメリカの強盗のような今のやり方は状況を危険にしている」としてアメリカへの不信感をあらわにしていて、今後、協議が難航することも予想されます。

一方、北朝鮮の国営メディアによりますと、最高人民会議では開会のあいさつを行ったヤン・ヒョンソプ代議員が「国家核武力の完成という歴史的な偉業が成し遂げられ、わが国は世界政治の構図の中心に堂々と上った」と述べたということです。

また新たに常任委員長に選ばれたチェ・リョンヘ氏は演説で「極悪な制裁封鎖の中でもわが国は災いを転じて福とする奇跡を成し遂げている」と述べたとしていますが、一連の報道では、これ以上、非核化や今後の対米交渉の進め方について具体的に言及することはありませんでした。

プーチン大統領が祝電

ロシアのプーチン大統領は12日、キム委員長に祝電を送りました。

この中でプーチン大統領は「あなたが最高位の役職に就くことで、今後、われわれの政府間、および国民どうしの友好関係が発展し、朝鮮半島の平和と安全が強化されることを確信している」と伝えました。

そのうえで、「2国間、あるいはこの地域の喫緊の課題に関する共同作業に取り組む用意があることを確認したい」として両国の緊密な協力に期待を示しました。

プーチン大統領は、初めての首脳会談を目指してキム委員長を招待していて、両国の間で調整が続けられています。