大坂なおみ 新コーチと臨んだ大会 精神面に課題

大坂なおみ 新コーチと臨んだ大会 精神面に課題
テニスの大坂なおみ選手は1月に四大大会連覇を果たしたあと、コーチを変えてアメリカでのツアー2大会に臨みました。技術面では新コーチの指導に手応えも感じた一方、要所で勝ちたい気持ちを抑えられなくなるなど精神面に課題が残り、上位進出はなりませんでした。
大坂選手はおととしのオフから指導を受けたサーシャ・バジンコーチとの契約を終了し、先月、元世界女王ビーナス・ウィリアムズ選手の練習相手などを務めたジャーメイン・ジェンキンスコーチと契約を結びました。

大坂選手にとっては初めてみずからの意志で選んだコーチで、今月、新コーチとの最初の大会として、アメリカでの四大大会に次ぐ格付けの大会に臨みました。

大会会場でのジェンキンスコーチとの練習に笑顔が絶える日はなく、これまでシーズン中はあまり変化を加えることがなかったサーブやストロークのフォームの改良にも、新コーチとともに積極的に取り組みました。

特に多くの時間を割いたサーブの練習では、ボールが高く跳ねる「キックサーブ」の精度向上に力を入れました。ボールの回転をしっかりとかけるため、ラケットの振り幅が大きくなるようフォームを見直したほか、相手のサーブに対し、より攻撃的に素早く打ち返せるようフォアハンドのテイクバックを浅くし返球する練習も重ねました。

そして臨んだ最初の大会。大坂選手にとって、昨シーズン、ツアー初優勝を果たし躍進のきっかけにもなった大会でした。

4回戦で、直前の大会でツアー優勝を果たした同世代の選手と対戦し、改良に取り組んだサーブやリターンでポイントを奪いましたが、相手の深いショットに対して攻め急いでミスを重ねて、ストレートで敗れました。

それでも試合後、大坂選手はジェンキンスコーチについて「コート上でポジティブに私の助けになることをたくさん教えてくれた。彼は全力を尽くしてくれた」と話したうえで、「チームのメンバーを変えるときには常に難しさはあるけれど、このメンバーで臨んだ最初の大会としては非常によかった」と手応えを感じていました。

アメリカで続けて行われた次の大会、大坂選手は3回戦で、優勝した全豪オープンで苦戦した世界27位、台湾の謝淑薇選手と顔を合わせました。

ファーストサーブが入らない場面でもセカンドサーブでは改良中の「キックサーブ」でポイントを重ねました。しかし徐々に相手に対応され、ラリーで相手のペースに引きずり込まれると、大坂選手はいらだつ様子を見せて無理な強打を重ね、逆転負けを喫して敗退しました。

試合後の会見では「なぜだか感情的になり過ぎた。世界ランキング1位は気にならないと思っていたけれど、実際はそうじゃなかった。ショットで攻め急いでしまったところもあった」と振り返った大坂選手。世界1位の肩書が「勝ち」を意識させ、昨シーズン習得したはずの「勝利を考えず目の前のプレーに集中する」ことが困難になっていたと言います。

新コーチと臨んだ2大会は、技術面で手応えを得た一方、勝ちたい気持ちを抑えられなくなる場面が目立ち、精神面に課題が残る結果となりました。

一方で、この2大会で印象的だったのは、敗れた試合のいずれも大坂選手が笑顔で会見を終えたことです。

敗戦後の会見で笑顔を見せる選手は多くなく、大坂選手もそうでしたが、この2大会では「ラリーなどではいいプレーもできていた」と結果を受け止めながら、収穫面も口にして、新コーチと踏み出した最初の一歩を前向きに捉えていました。

女子テニスのツアーはこのあと、表面が土や砂で覆われ球足が遅いことが特徴となるクレーコートの大会が続くシーズンが始まります。

これまでと違う環境となり、ストローク戦が増える中、大坂選手が新コーチとともに課題を克服し、上位進出を狙えるか注目が集まります。