NZ銃乱射事件 28歳の男を訴追 周到に犯行を計画か

NZ銃乱射事件 28歳の男を訴追 周到に犯行を計画か
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ニュージーランドでイスラム教の礼拝所が襲撃され、49人が死亡した銃乱射事件で、警察は1人を殺人容疑で訴追したほか、2人の身柄を拘束して、事件への関与を調べています。警察は周到に計画された犯行とみて関係先を捜索するなど、捜査を進めています。
日本時間の15日午前、ニュージーランド南部のクライストチャーチ中心部にある2か所のモスクで何者かが銃を乱射し、合わせて49人が死亡、およそ50人が病院に搬送されました。

警察は3人の身柄を拘束し、このうち主犯格とみられる28歳の白人の男を殺人容疑で訴追したほか、2人について事件にどのように関与したのか詳しく調べています。

このうち1人について、オーストラリア政府はオーストラリア出身であることを発表していますが、残る2人の国籍などは明らかになっていません。

現場では大量の武器が見つかったほか、犯行に使われた車からは手製の爆弾も見つかり、警察は周到に計画された犯行とみて捜査を進めていて、15日夜、クライストチャーチから南におよそ300キロ離れたダニーデンの街で、拘束している3人の関係先を捜索しました。

一方、事件の直前にはみずからをオーストラリア出身の28歳だとする男がツイッターに犯行声明とみられる文書を投稿していました。

このなかで、男は乱射事件を2年前から計画していたとしたうえで、動機については白人社会が移民に侵略されているなどとつづり、クライストチャーチにはイスラム系移民が多いため、標的にしたとしています。

アーダーン首相は、事件は過激な思想を持った容疑者による「テロ攻撃だ」としています。

アメリカやフランスなどでは事件を受けて宗教関連施設での警戒を強めているほか、世界で最も多くのイスラム教徒が暮らすインドネシアのジョコ大統領は強い非難を表明するなど、影響は世界中に広がっています。

外務省の海外邦人安全課によりますと、これまでのところ日本人が事件に巻き込まれたという情報は入っていませんが、引き続き情報収集を続けるとしています。

ニュージーランド首相”銃規制改める”

ニュージーランドのアーダーン首相は銃乱射事件から一夜明けた16日、現地時間の午前9時半すぎから会見を開き、この銃乱射事件をめぐって3人が逮捕され、このうち殺人の容疑で訴追されたオーストラリア出身の28歳の男が16日、裁判所に出廷すると述べました。

この容疑者について、世界各国を旅行しながら、たびたびニュージーランドにも滞在し、事件直前はクライストチャーチから南におよそ300キロ離れたダニーデンの街を拠点に生活していたと発表しました。

また、この容疑者が事件で半自動小銃など、合わせて5丁の銃を使用したと述べ、2017年11月にニュージーランドの銃の免許を取得したあと、同じ年の12月から銃の購入を開始したと明らかにしました。そして、アーダーン首相はニュージーランドの銃規制を改めると発言しました。

一方、3人の容疑者は過去に犯罪歴がなく、ニュージーランドや主犯格の容疑者の出身地であるオーストラリアのテロの監視対象にも含まれていなかったとしたうえで、極右思想など極端な思想を持った人物についても捜査の対象とし、警戒を強めていく方針を示しました。

首相は16日中にクライストチャーチに入ることにしています。

市長「安全なまちで事件 非常にショック」

事件を受けて16日、クライストチャーチのリアン・ダルジール市長が会見し、「このような安全なまちで事件が起きたことは非常にショックだ」と話しました。そして、事件でケガをした人たちが搬送された市内の病院の近くにある公園に花を手向ける場所を設け、近く、追悼の集会を開く計画があることを明らかにしました。

そして、市内に半旗を掲げて犠牲者への追悼の意を表すとともに、週末に予定されていたすべてのイベントをキャンセルすると発表しました。

イスラム教徒の国々から非難相次ぐ

イスラム教徒の礼拝施設、モスクが標的になったことについて、国民の大多数がイスラム教徒の国々からは非難の声が相次いでいます。

このうちエジプトの外務省は15日、声明を発表し、「モスクを狙って無実の人々を死傷させたテロを最も強いことばで非難するとともに、犠牲者の家族に哀悼の意を表する。この卑劣なテロは国際社会が宗派をこえて、暴力や過激主義との闘いを続ける必要性を示している」としています。

またヨルダンのアブドラ国王は自身のツイッターに「平和に祈っていたイスラム教徒たちが虐殺されたことはおそろしい犯罪だ。われわれを過激主義、憎悪、テロに対して団結させる。犠牲者の魂が安らかに眠ることを祈る」と書き込み、ヨルダン国籍の男性1人が死亡したことを受けて、銃撃を非難するとともに哀悼の意を示しました。

イスラム教の聖地メッカがあるサウジアラビアの国営通信は「宗教は尊重されるべきもので、サウジアラビアはあらゆる形態のテロを非難する。犠牲者の家族に哀悼の意を示し、負傷した方々の迅速な回復を願う」とする外務省当局者の談話を伝えました。

このほかUAE=アラブ首長国連邦やクウェートなど湾岸諸国も相次いで、事件を非難する声明を発表しています。

トランプ大統領「おそろしいテロ攻撃」

アメリカのトランプ大統領はニュージーランド南部のクライストチャーチで起きた銃乱射事件について、ホワイトハウスで15日、記者団に対し、「2つのモスクでおそろしいテロ攻撃が起きた。礼拝のための神聖な場所が邪悪な殺害の場に変えられてしまった。ひどいことだ」と述べ、事件を非難しました。

そのうえで、事件を受けて、ニュージーランドのアーダーン首相と電話会談を行い、ニュージーランドと連帯し、支援を行う考えを伝えたと明らかにしました。

そして、記者団から「白人民族主義は世界で高まる脅威だと思うか」と問われたのに対し、「そうは思わない。非常に深刻な問題を抱えた一部の人だけだ。ニュージーランドで起きたことはそうなのかもしれないが、私はまだ事件のことを十分に知らない」と述べるにとどまりました。