NZモスク銃乱射 “かなりの数の死者” 4人拘束

ニュージーランド南部のクライストチャーチにあるイスラム教の礼拝所・モスクで何者かが銃を乱射し、警察は「かなりの数の死者が出ている」と発表するとともに、男3人と女1人の身柄を拘束したと明らかにしました。
日本時間の15日午前10時ごろ、ニュージーランド南部のクライストチャーチ中心部にあるモスクで、何者かが銃を乱射しました。

ニュージーランドの警察幹部が日本時間の午後1時半から記者会見し、事件は少なくとも2か所のモスクで起き、「かなりの数の死者が出ている」と発表しました。

そして、この事件でこれまでに男3人と女1人の身柄を拘束したと明らかにしたうえで、事件が収束したかどうかはわからないとして、市民に対して、引き続き安全な場所にとどまるよう呼びかけています。

さらに警察幹部は、容疑者が使っていた車から、いくつもの手製爆弾が見つかり、軍が、爆発しないよう処置したことも明らかにしました。

また、現地の有力紙、「ニュージーランド・ヘラルド」は、死者の数は「9人から27人にのぼる」と伝えるとともに、モスクから逃げ出した男性の話として、「犯人は白人の男で、軍服のような服を着て、足にいくつもの弾倉をくくりつけていた」と伝えています。

このほかニュージーランドの公共放送・TVNZは、けが人がおよそ40人に上っていると伝えています。

クライストチャーチにある病院で撮影された映像には、担架で人が次々と運び込まれる様子が映っていて中にはぐったりとして動かない人もいます。

クライストチャーチにある日本の領事事務所によりますと、これまでのところ日本人が事件に巻き込まれたという情報は入っていません。領事事務所は、引き続き情報収集を続けるとしています。

警察「軍が手製爆弾処理した」

日本時間の午後1時半から記者会見したニュージーランドの警察幹部は、容疑者が使っていた車に手製の爆弾があったという報道について問われると「爆弾の数は言うことはできない。爆発しないよう、軍が処置を行った」と述べました。

“容疑者とみられる人物逮捕の瞬間” 映像も

現地の有力紙、「ニュージーランド・ヘラルド」は警察が容疑者と見られる人物を拘束した瞬間だとする映像を、ホームページ上に掲載しました。

この動画では拳銃を持った警察官2人がパトカーに接触した状態で道路脇に停車している乗用車に近づき、運転席から容疑者とみられる人物を引きずり出す様子が映っています。

これは近くを車で通りかかった人が撮影し、フェイスブックに投稿したものだということです。

また、ツイッターに投稿された別の映像では、同じ場所で警察官2人が黒い服を着て地面に横たわっている容疑者とみられる人物を拘束している様子が映っています。

容疑者とみられる男 歩道でひざまづく写真も

現地の有力紙、「ニュージーランド・ヘラルド」は迷彩服を着た容疑者の1人と見られる男が警察に拘束され、歩道でひざまづいている写真をホームページ上に掲載しました。

写真は銃撃事件が起きたモスクから北に6キロ離れた高校の近くの路上で撮影されたものと見られ、男の前には自動小銃が置かれ、その横で警察官が警戒にあたっています。

日本人留学生 現場は「かなり緊迫」

クライストチャーチの大学に留学中で、銃撃事件が起きたモスクの近くを通りかかった日本人の20歳の男性は、NHKの電話インタビューに対して「かなり緊迫した状況でした。複数のパトカーが道路をふさぎ、別のパトカーは現場の方向に猛スピードで走って行きました。銃撃の音は聞こえませんでしたが、サイレンの音が大きくてそれ以外の音は何も聞こえませんでした」と話していました。

男性は、モスクの近くを通るバスに乗って街の中心部に向かっていたということで「乗っていたバスは、急に方向転換をして、別のルートで目的地に向かいました」と、運転手が自分の判断で、急きょ事件現場を避けるルートを取ったことを明らかにしました。

また、事件発生から4時間ほどがたった街の状況について、「人通りが少なくて、店はほぼ閉まっています。バスもタクシーも動いていないようです。今は中心部のレストランにいて、外を出歩くのは危ないので待機しています」と話していました。

このほか、「ニュージーランドは治安がよいと聞いて留学先に決めましたが、このような事件は想像していなかったし、とても不安です」と話していました。

クライストチャーチとは

クライストチャーチは人口がおよそ38万人で、ニュージーランドの南島最大の都市です。公園や緑地が多く、毎年大勢の日本人観光客が訪れているほか、語学留学先としても高い人気を誇ります。

8年前の2011年2月にニュージーランド南部を襲ったマグニチュード6.3の地震では、クライストチャーチ中心部の語学学校が入ったビルが倒壊するなどして、日本人28人を含む185人が死亡しました。

河野外相「在留日本人の被害情報ない」

河野外務大臣は記者会見で、「けがをされた方々にお見舞いを申し上げ、犠牲者とそのご家族には哀悼の意を表したい。また、ニュージーランドの国民、ニュージーランド政府に連帯の意を表したい。現時点までに日本人が被害にあったという情報には接していないが、クライストチャーチの領事事務所を通じて、在留邦人などにメールで注意喚起を行っている」と述べました。