GDP 2期ぶりプラスも中国経済の減速が業績に影

GDP 2期ぶりプラスも中国経済の減速が業績に影
2期ぶりにプラス成長を取り戻したGDP。しかし、回復の勢いは力強さに欠けています。大きな要因は中国経済の減速です。
北九州市に本社がある「安川電機」は、産業用のロボットやモーターなどを手がけています。
省力化のための設備投資の需要が底堅いこともあって、今月までの1年間の決算では、売り上げ、最終利益ともに過去最高を更新する見通しです。
しかし、全体の売り上げの2割を占める中国での経済の減速が、業績に影を落としています。

主力商品の1つは、半導体を製造する装置などに組み込まれるモーターです。

ところが、去年の秋以降、“巨大市場”の中国で、スマホの売り上げが低迷。アメリカと中国の貿易摩擦の激化という要因も加わって、モーターを組み込んだ製品の中国向けの輸出が落ち込み、モーターの受注も減っているのです。このため、去年10月と先月、2度にわたって業績予想を見直し、営業利益を当初から20%近く下方修正しました。

このように、中国経済の減速などを背景に業績予想を下方修正する企業が相次いでいます。

SMBC日興証券の今月8日時点のまとめでは、東証1部で決算発表を終えた企業のうち、来月までの年間の業績予想で、営業利益を下方修正した企業は155社に上り、上方修正した92社を大きく上回っています。

安川電機はヨーロッパでのビジネスを強化するため、現地に新たな生産拠点を設けたほか、食品工場向けなど新たな需要を掘り起こすなどして中国市場の落ち込みを補いたいとしています。

安川電機の小笠原浩社長は「米中の貿易摩擦がどのように動くかが1つのカギになるが、長い目で見て中国が思い切り減速することはないと思う。中国は市場としても大きいので、その動きをきちんと見て対応していきたい」と話しています。

中国減速が段ボールにも

中国経済の減速は、段ボールの材料となる古紙を取り扱う業界にも影響を与えています。

関東地方の古紙業者の組合は、中国向けに、段ボールにリサイクルされる古紙を輸出しています。
去年の夏から秋にかけて引き合いが強くなり、買い取り価格が2割ほど上昇しました。米中の貿易摩擦で、去年8月、中国が、アメリカから輸入する古紙に追加の関税を課したため、代替品として、日本の古紙に需要が集中したためです。
ところが、こうした状況は長くは続かず、年末になると状況が一変しました。取り引きを続けてきた中国の7つの業者のうち6社からの注文が途絶え、残る1社もピーク時の半額程度の買い取り価格を提示してきたのです。

景気減速で、中国国内の製造業の生産が鈍り、製品をこん包する段ボールの需要も大きく落ち込んだことが要因の一つだとみられています。

組合では、採算が合わないことなどから、去年12月から3か月連続で中国への輸出を見送ることにしました。このため埼玉県にある業者の工場には、およそ500トンの段ボール用の古紙が積まれたままになっています。

「関東製紙原料直納商工組合」の大久保信隆理事長は、「中国国内の生産が鈍っていることは間違いなく、その経済的影響が古紙業界にも来ている。中国は世界最大の古紙の消費国なので、今後、生産が戻るよう願うしかない」と話しています。

春節終えたデパートも警戒感

中国経済の減速に対する警戒感は、中国の旧正月、「春節」の商戦を終えたデパートからも出ています。

「三越伊勢丹」は、「春節」に合わせた今月4日から10日までの大型連休の期間中、外国人旅行者向けの売り上げが、グループ全体で去年の同じ時期に比べておよそ4%減りました。

このデパートではことしの春節商戦に合わせて、中国の企業が手がけるスマートフォンの決済サービス、「アリペイ」を全国すべての店舗に導入し、中国人の買い物客の取り込みを図りました。
しかし、宝飾品など比較的高額な商品の売り上げが伸び悩んだということです。

その一方で、中国語を話せるスタッフを増やすなど接客サービスを強化した店舗は売り上げが増えたということです。
このため、このデパートでは、日本の「おもてなし」をより充実させて、消費の減少を防ぎたいとしています。

三越伊勢丹の販売戦略部の堀井大輔さんは「春節商戦の売り上げの減少が短期的なものなのか、それとも中長期的なものなのか、注意深く見ていきたい」と話していました。