イラン革命防衛隊 元幹部「シリア攻撃はイラン攻撃とみなす」

イラン革命防衛隊 元幹部「シリア攻撃はイラン攻撃とみなす」
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イランの精鋭部隊、革命防衛隊の元幹部がNHKのインタビューに応じ、同盟関係にあるシリアで、イスラエルが空爆を行っていることに対し、「シリアに対する攻撃は、イランへの攻撃と見なす」と述べ、イスラエルやアメリカを強くけん制しました。
革命防衛隊はイランの最高指導者に直属する精鋭部隊で、このうち周辺国での作戦などに関わっていた元幹部、ホセイン・キャナニモガダム氏がNHKのインタビューに応じました。

キャナニモガダム氏は、革命防衛隊が、内戦が続くシリアで同盟関係にあるアサド政権を支えるために部隊を派遣してきたと明らかにしました。
そして「シリアで、過激派組織IS=イスラミックステートとの戦闘が終結したとしてもシリア領内の兵たん基地や訓練基地を利用することでアサド政権と合意している」と述べて、革命防衛隊がシリアにとどまり軍事的な関与を続けるという見通しを示しました。

そのうえで「イスラエルとアメリカという共通の敵に抵抗するため、国外での支援をできるかぎり行っていく。シリアは、“抵抗する勢力”の一員であり、シリアに対する攻撃は、イランへの攻撃と見なす。こうした戦略こそが、自国の安全保障を強化することにつながっていく」と述べ、シリアを重視していく考えを示したうえで、シリアに展開する革命防衛隊に対して空爆を行ったイスラエルを強くけん制しました。

そしてイラン側の対抗措置については、戦争の拡大は求めていないとしながらも、イランの影響下にあるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラや、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスなどと連携して、イスラエルに対して報復することも可能だという見方を示しました。

一方、アメリカのトランプ大統領がシリアから撤退すると表明したことについては、「実際に撤退するかはまだはっきりとしない。シリア領内の軍事施設を今後も使い続け、手下となる勢力を訓練し、圧力を与える道具にするかもしれない」と述べ、アメリカ軍への警戒を緩めない考えを示しました。

イランのシリア展開

イスラム教シーア派の大国イランは、周辺国の同じ宗派の勢力や、イスラエルなど共通の敵を持つ勢力への支援を通じ、影響力を拡大させてきました。

このうちシリアでは、内戦が始まった当初からアサド政権を支援し、現地に精鋭部隊の革命防衛隊やシーア派の民兵を派遣し、スンニ派の過激派組織IS=イスラミックステートの掃討作戦を展開してきました。

内戦が佳境を迎えた中、おととし11月にはロウハニ大統領が対IS戦の「勝利宣言」を行いましたが、その後もシリアでの軍事的な関与を続け、シリア領内には複数の軍事施設を保有しているとされています。

イランとしては、内戦が終結したあとも影響力の維持を図り、シリアの隣国で敵対するイスラエルににらみをきかせる狙いもあるものとみられます。

これに対してイスラエルは先月、シリア領内にあるイランの革命防衛隊の軍事施設を空爆したと発表し、警戒感をあらわにしているほか、アメリカのトランプ政権もイランのシリアからの撤退を要求し、イランの影響力拡大に神経をとがらせています。

ただ、革命防衛隊や軍の司令官は、イスラエルの空爆に報復を示唆するなど一歩も引かない構えを見せていて、シリアを舞台にさらに緊張が高まることが懸念されています。