韓国大統領 米朝首脳会談「重大な転換点になることを期待」

韓国大統領 米朝首脳会談「重大な転換点になることを期待」
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韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、今月末に開かれる2回目の米朝首脳会談について、「朝鮮半島の非核化、そして新しい米朝関係と朝鮮半島の平和体制づくりをより具体的に進展させるうえで重大な転換点になることを期待する」と述べ、韓国の政界も結束して会談を後押しすべきだと強調しました。
韓国のムン・ジェイン大統領は、11日に開いた側近らとの会議の中で、2回目の米朝首脳会談が今月27日と28日にベトナムのハノイで開かれると決まったことに初めて言及し、「朝鮮半島の非核化、そして新しい米朝関係と朝鮮半島の平和体制づくりを、より具体的で目に見える形で進展させるうえで、重大な転換点になることを期待する」と述べました。

一方、保守系の野党を中心に、北朝鮮の非核化の意思に懐疑的な見方が根強いことに関して、「果たしてうまくいくのかという疑念が少なくないのが現実だ」と認めつつ、「南北とアメリカの首脳がぶれることなく進んでいるのは、歴史が向かうべき方向に対する強い信頼があるからだ」と主張しました。

そのうえでムン大統領は「最も重要な当事者である、韓国の国民、そして政界も、心を一つにしてほしい」として、政府と与野党が結束して米朝首脳会談の成功を後押しすべきだと強調しました。

中国外務省報道官も期待感

2回目の米朝首脳会談について、中国外務省の華春瑩報道官は11日の記者会見で、中国は一貫して双方が対話で問題を解決をすることを支持してきたと強調しました。

そのうえで、「中国は、首脳会談が順調に行われ、朝鮮半島の非核化や長期にわたる平和の実現のために貢献していくことを希望する」と述べ、非核化をめぐって具体的な進展があることへの期待感を示しました。

北朝鮮 2回目の米朝首脳会談の開催伝えず

北朝鮮の国営メディアは、2回目の米朝首脳会談について、先月24日、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が「実務的な準備をしっかり行うよう、方向性を指示した」と報じたきりで、今月27日と28日にベトナムの首都ハノイで開催されることが決まったことは伝えていません。

去年6月、シンガポールで1回目の米朝首脳会談が開かれた際も、北朝鮮メディアは会談の前日になって初めて日程と場所を伝えていて、キム委員長の警護を考慮して、ぎりぎりまで動静を明らかにしなかったものとみられます。

北朝鮮としては、今回もそうした前例に従って会談の日程や場所について沈黙を続けるとともに、会談の意義についても制裁緩和などをどこまで勝ち取れるか慎重に見極めているために、国内向けに前もって説明しにくいという可能性もあります。

専門家「米の交渉カードは少ない」

2回目の米朝首脳会談について、アメリカの外交・安全保障政策に詳しい明海大学の小谷哲男准教授は、「非核化に向けた協議が進展しないなか、アメリカ側にはトップダウンで協議に弾みをつける狙いがある」としています。

そして、トランプ大統領の思惑について、「来年の大統領選挙に向け、非核化の具体的な進展を進めるというよりも、北朝鮮との間で起こるかもしれなかった戦争を止めたということを最もアピールしたいと考えている」と分析しました。

また、首脳会談の見通しについて、「アメリカが持つ交渉のカードは少ない」としたうえで、「核実験場などの査察を求めるアメリカと、経済制裁の緩和などを求める北朝鮮との要求のギャップは大きく、埋めるのは簡単ではない」と指摘し、アメリカが、経済制裁の緩和などと引き換えに、北朝鮮から非核化に向けた具体的な措置をどこまで引き出せるかが焦点だとしています。

さらに、朝鮮戦争の終戦宣言については、韓国や中国抜きで進めることは難しいとしながらも、「アメリカの政府内部では終戦宣言への前向きな考えが広がっていて、北朝鮮との間で、平和宣言のようなものを出すことも考えているようだ」と指摘しました。

そして、日本への影響については「核の傘に守られている日本の安全保障がすぐに脅かされることはないが、トランプ大統領が、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長との個人的な友好関係を強調するなかで、同盟国の利害を無視する可能性も排除しきれない。トランプ大統領が同盟国の利益をどう考えて発言するのか注目する必要がある」と強調しました。