仏裁判所 JOC竹田会長に改めて事情聴く可能性も

仏裁判所 JOC竹田会長に改めて事情聴く可能性も
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フランスの検察当局が、JOC=日本オリンピック委員会の竹田恒和会長を東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐる贈賄に関与した疑いで捜査している問題で、裁判所は今後、必要があれば改めて竹田会長に事情を聴き、裁判を開くかどうか判断することにしています。
フランスの検察当局はJOCの竹田恒和会長を来年の東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐる贈賄に関与した疑いで捜査していて、先月、裁判所が裁判を開くかどうか審査する「予審手続き」を始めていたことが11日、明らかになりました。

「予審手続き」は、検察の請求を受けて裁判所の「予審判事」が容疑を精査する制度で、十分な証拠がある場合は裁判が開かれますが、証拠が十分でなかったり、犯罪の疑いなしと判断されれば、裁判は開かれず免訴されます。

これを受けて先月、予審判事が竹田会長本人を聴取しましたが、当局者は11日、NHKの取材に対し「判事は今後も竹田会長本人を聴取する可能性がある」と述べ、必要があれば日本やフランスで竹田会長本人に改めて事情を聴く可能性があると明らかにしました。

フランスの検察当局は2013年、日本の招致委員会から当時のIOC=国際オリンピック委員会の委員の息子に関係するとみられるシンガポールの会社に支払われた、日本円でおよそ2億2000万円の一部について贈賄の疑いがあるとして4年前から捜査していたということです。

これについてJOCでは、疑惑を調べた結果、「招致委員会による金銭の支払いに違法性はなかった」とする調査報告書を発表しています。

フランスの「予審手続き」とは

フランスの「予審手続き」とは、検察の請求に基づき裁判所が容疑者を裁判にかけるかどうか審査する手続きです。

フランスでは「重大」または「複雑な」事件が起きた場合、検察による捜査の結果を受けて裁判所の予審判事が容疑者から話を聞いたり、証拠を精査したりして、犯罪の十分な証拠があるかどうか審査します。

予審判事は審査の過程で必要に応じて容疑者の身柄を拘束できるほか、捜索や押収、証人の尋問を行えるなど強力な権限を持っています。

審査の結果、犯罪の十分な証拠があると判断された場合には裁判が開かれますが、証拠が十分でなかったり、犯罪の疑いなしと判断されれば手続きは打ち切られて免訴され、裁判は開かれません。

IOCも竹田会長から話聞く

フランスの検察当局が竹田会長を贈賄に関与した疑いで捜査していることを受けて、IOC=国際オリンピック委員会は11日、スイスで倫理委員会を開き、竹田会長本人からテレビ電話で話を聞いたことがわかりました。

この問題でIOCは倫理委員会で調査を始めたことを明らかにしていますが、関係者によりますと11日、IOCの本部があるスイス・ローザンヌ市内のホテルで、およそ7時間にわたって倫理委員会の会議が開かれたということです。

会議では元国連事務総長で倫理委員会のパン・ギムン(潘基文)委員長らが、テレビ電話で竹田会長本人から話を聞いたということです。

会議の詳しい内容はわかっていませんが、倫理委員会は11日の会議で何らかの結論は出していないということで、IOCでは「推定無罪の原則を尊重しながら捜査の状況を注視していきたい」とコメントしています。

大会のイメージ低下 避けられず

今回、フランスの裁判所がJOCの竹田恒和会長を起訴するかどうか判断する手続きに入った事案はすでに2016年に明るみに出ていたものです。
このとき、JOCは弁護士2人と公認会計士1人からなる調査チームを設置し、違法性の有無や実態解明につとめました。

最終的に、調査では当時の招致委員会が行った金銭の支払いに違法性はないと結論づけており、JOCの幹部からは「なぜ、いまごろになって再び問題が浮上したのか」とフランスの司法手続きに対する疑問の声も聞かれます。

この問題は竹田会長が東京への大会招致のために設立された招致委員会の理事長だったときのもので、別の法人である大会組織委員会の運営への直接的な影響はありません。

しかし、2001年からJOCのトップを務め東京オリンピック招致の顔とも言える竹田会長に関して、再び、こうした疑いが取り沙汰されることで、準備が本格化している大会のイメージ低下は避けられません。