安倍首相 英に合意なきEU離脱回避を要請 協定案は全面支持

安倍首相 英に合意なきEU離脱回避を要請 協定案は全面支持
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安倍総理大臣は、日本時間の11日未明、訪問先のイギリスでメイ首相と会談し、EU=ヨーロッパ連合からの「合意なき離脱」の回避に向けた努力を要請するとともに、離脱の条件を定めた協定案を全面的に支持する考えを伝えました。
安倍総理大臣は11日未明、イギリスのメイ首相と7回目となる首脳会談に臨み、3月に迫るEUからの離脱について、「イギリスとのパートナーシップをもっと発展させたい。『合意なき離脱』は回避してほしい」と要請しました。

そして、「移行期間を設け、イギリスに進出している企業の法的安定性を確保しようとするメイ首相の離脱協定案を全面的に支持する」と述べました。

これに対し、メイ首相は「協定案は、日本企業にとってもよいものであり、支持に感謝したい」と述べました。そのうえで、両首脳は、日本とEUのEPA=経済連携協定が来月発効することを踏まえ、EU離脱後のイギリスとの新たな経済的パートナーシップの構築に取り組むことを確認しました。

また、安倍総理大臣は、イギリスのTPP=環太平洋パートナーシップ協定への参加を支援する考えを伝えました。

さらに、両首脳は、G20大阪サミットの成功に向けて、自由貿易の推進などを通じた経済成長と格差是正を同時に達成することや、気候変動や海洋汚染の原因となっているプラスチックごみなど地球規模の課題に協力していくことでも一致しました。

一方、北朝鮮への対応をめぐり、両首脳は、すべての大量破壊兵器や、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄の実現や、国連安保理決議の完全な履行の必要性について一致し、安倍総理大臣は、拉致問題の早期解決に向け協力を求めました。

また、防衛協力の一環として、自衛隊とイギリス軍による共同訓練の拡大や、北朝鮮が海上で物資を積み替えるいわゆる「瀬取り」への対策で緊密に連携していくことを確認したほか、ことし春に、東京で、外務・防衛の閣僚会合、いわゆる2+2を開催することで合意しました。

さらに、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、海洋安全保障や質の高いインフラ整備、5Gをはじめとする通信インフラの分野などで協力していくことも確認しました。

会談のあと、両首脳はそろって記者会見し、安倍総理大臣は「日本とイギリスは、政治や経済の分野で、長年、深いパートナーシップを築き上げてきた。それは、EU離脱後も変わりなく、むしろ一層強化していく」と述べました。

また、メイ首相は、「安倍総理大臣の訪問は非常に重要な時期になった。われわれの視野が世界全体に広がっている時、日本のような国との関係はますます重要になる」と述べました。

日英共同声明

イギリスを訪れている安倍総理大臣は、メイ首相との首脳会談のあと共同声明を発表しました。

共同声明には、イギリスがEU=ヨーロッパ連合からの「合意なき離脱」を回避することへの期待が明記されました。

また、防衛協力の一環として、ことし春に東京で外務・防衛の閣僚会合、いわゆる2+2を開催するとしています。

共同声明には、ことし3月末に迫るイギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱について、日本は、「合意なき離脱」を回避するとともに、ビジネスの混乱を避けるために最大限努力することへのイギリスのコミットメントを高く評価するとして、「合意なき離脱」を回避することへの期待を明記しました。

そして、両首脳は、「合意なき離脱」が与える深刻な影響について議論し、貿易などに関する国際約束のもとで協力を維持する意図を確認したとしています。

また、自由で開かれたインド太平洋に貢献するため、質の高いインフラ投資を支持する第三国などとの協力を含む政府間協力や、海洋安全保障の協力などの推進で一致したとしています。

そして、東シナ海や南シナ海の現状への懸念を共有したほか、北朝鮮情勢をめぐって、国連安保理決議の完全な履行と核や弾道ミサイルのCVID=完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄へのコミットメントを確認したとしています。

加えて、防衛協力の一環として、イギリス海軍の艦艇を日本に派遣し、北朝鮮が海上で物資を積み替える「瀬取り」など、違法な海上活動への警戒監視活動を行うことや、ことし春に、東京で、外務・防衛の閣僚会合、いわゆる2+2を開催することを決定したとしています。

さらに、声明には、日本がTPP=環太平洋パートナーシップ協定へのイギリスの加入の可能性を支援することや、自由で公正な貿易を支持し、保護主義との闘いを継続し、G7やG20で緊密に協力していくことも盛り込まれています。