英首相 EU離脱協定案の議会採決に向け国民に訴え

英首相 EU離脱協定案の議会採決に向け国民に訴え
イギリスはEU=ヨーロッパ連合と何の取り決めもない「合意なき離脱」を回避できるのか。大きな節目となるとみられるイギリス議会での離脱協定案の採決に向け、メイ首相は閣僚を地方に派遣するなどして国民への訴えを強めています。
イギリス議会では今月11日にEUからの離脱の条件を定めた離脱協定案についての採決が行われる予定で、否決されるとイギリスは何の取り決めもないまま来年3月末に離脱する公算が大きくなると指摘されています。

しかし、この案はEU残留派に加えて離脱派からも「名ばかりの離脱で、イギリスの独立性が確保されていない」と批判されていて、依然として多くの与党議員も反対を表明しています。

こうした中、メイ首相は7日、国民に直接訴えるため閣僚らおよそ30人を地方に派遣し、世論を通じて議会への圧力を強めたいものとみられます。

また、イギリス政府は何の取り決めもないまま離脱した場合の最悪のシナリオとして、イギリスとEUとの間の通関手続きが最大で6か月間にわたって支障を来すおそれがあるとする見通しを明らかにしました。

現地のメディアはメイ首相がこうした想定を公表することで離脱協定案への支持を取り付けようとしていると指摘しています。

イギリス議会では週明けの10日と11日にも離脱協定案の審議が行われますが、採決までにメイ首相が十分な支持を取り付けられるのかは依然として不透明です。

残留派がバスで離脱反対活動

イギリス議会の前には7日、「ブレグジットをぶっつぶせ」、「合意は完了していない」と車体に大きく書かれたラッピングバスがお目見えし、EU残留派のグループが次々に乗り込みました。

メンバーたちはバスでイギリス国内の40か所以上を回り、EUへの残留を求める手紙を議員宛てに書くことなどを訴えることにしています。

イギリスではメイ首相がEUとの間で合意した離脱協定案について離脱派からも反対の声が上がる中、「第2の国民投票」を求める残留派の活動も活発化しています。

NHKの取材に対して代表の男性は「議会はぐちゃぐちゃで何も決めることができない。今こそ立ち上がり、離脱反対の声を上げるときだ」と話していました。