OPEC 減産1日120万バレルで合意 来年1月から半年間

主な産油国で作るOPEC=石油輸出国機構は協力関係にあるロシアなど非加盟の産油国と会合を開き、原油価格を引き上げるため、来年1月から1日当たり120万バレルを協調して減産することで合意しました。ただ、原油の需要が減るという見通しもあるため、狙いどおりに値上がりしていくかは不透明です。
OPECは、ロシアなど非加盟国と、オーストリアのウィーンにあるOPECの本部で、7日、会合を開きました。

産油国は、アメリカによるイランへの経済制裁で原油が不足するという懸念を和らげるため生産を増やしてきたことなどから市場では、逆に、原油が余るという見方が強まっていて、国際的な原油価格はことし10月のピーク時より、大幅に値下がりしています。

このためOPECは原油価格を引き上げようと、6日の総会に続いて7日の非加盟国との会合でも、減産する方向で協議しました。その結果、来年1月から半年間1日当たりの生産量を、ことし10月の時点より、合わせて120万バレル減らすことで合意しました。これはOPECと協力関係にある非加盟国とを合わせた生産量の、2%余りに当たります。内訳はサウジアラビアなどのOPEC側が80万バレル、ロシアなどの非加盟国側が40万バレルとなっています。

今回の減産は、OPECにとっては、アメリカがイランへの経済制裁の再開を発表したあと生産が増えた分を、元に戻すのに近い規模です。また、来年は、景気の減速で原油の需要そのものが減るという見通しもあるため、原油価格が産油国の狙いどおりに値上がりしていくかは不透明です。

NY原油市場 一時5%以上上昇

産油国が来年1月からの減産で合意したことを受けて、7日のニューヨーク原油市場では原油価格が一時、5%以上、値上がりしました。

7日のニューヨーク原油市場では、OPECとロシアなど非加盟の産油国が来年1月からの減産で合意したことで、供給過剰への懸念がいくぶん和らぎました。

このため国際的な原油取り引きの指標となるWTIの先物価格は値上がりし、一時、前日より5%以上高い1バレル=54ドル台まで上昇しました。

市場関係者は「前日に具体策を打ち出せなかったOPECが、非加盟国との合意にこぎ着けたことで、投資家の間ではひとまず安心感が広がった。ただ、原油の需要が減ることへの懸念は消えておらず、今後も上昇が続くかどうかは不透明だ」と話しています。

「原油安は景気減速影響の可能性」

ことし10月上旬に3年11か月ぶりの高値となった原油価格は、その後、2か月足らずで30%以上値下がりしています。

この値動きについて、大和総研ロンドンリサーチセンターの菅野泰夫センター長は「このところの値下がりの背景には大きな投機筋の売買があるわけでなく、需要の減速も大きな要因になっている。景気減速の影響を受けている可能性がある」と話しています。

そのうえで「10年前の金融危機の際にも似たような状況があり、リスク性の高い資産の需要が減退した。原油は景気の減速局面に大きく価格が調整することがあり、実体経済に大きな動きがあるか注目したい」と話しています。

サウジ資源相「原油安は米に悪影響」

OPECに対してアメリカのトランプ大統領は、原油価格の値上がりにつながる減産を行わないよう繰り返し求めてきました。

今回の減産合意を主導したサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、アメリカでシェールオイルが大量に生産されていることを踏まえ「原油安はアメリカの経済に悪影響を与える。石油・ガス産業は多くの経済活動や雇用、輸出を生み出すからだ」と述べて、アメリカの石油産業にとっては原油価格の値上がりはプラスだと説明しました。

また、「トランプ大統領がアメリカの消費者にとって手ごろな燃料価格が維持されるよう力を入れていることに敬意を表したい。今回の減産は消費者の許容範囲を超えて搾り取るものにはならない」と述べ、原油価格の高騰にはつながらないという考えを示しました。

ガソリン価格値下がりに転じる

上昇傾向が続いていたレギュラーガソリンの小売価格は、ことし10月下旬以降、値下がりに転じています。ガソリン価格は5月にはアメリカなどによるシリアへの軍事攻撃などで原油価格が上昇した影響で150円を超えました。

その後もアメリカのトランプ政権が各国に対してイラン産原油の輸入を停止するよう求めた影響で原油価格が一段と上昇したため、10月下旬には3年11か月ぶりに160円台にのりました。

しかし、先月、アメリカが日本などに対してイラン産原油の輸入を一時的に認めたことや、米中の貿易摩擦で世界経済が減速し原油の需要も減るという見方から、原油価格はピーク時よりおよそ30%下落します。

これに伴ってガソリン価格も大きく値下がりし、今月3日の時点で151.3円まで下落しています。