宗教施設での災害時帰宅困難者受け入れ 自治体との連携に課題

宗教施設での災害時帰宅困難者受け入れ 自治体との連携に課題
東京都は大規模な災害で想定される帰宅困難者の受け入れ先として、寺や神社などの宗教施設の活用を進めています。都内の宗教施設を対象にした調査で、およそ半数が帰宅困難者の受け入れなどで自治体に協力する意向を示す一方で、実際に自治体との間で災害に関する協定を結んでいるケースは4%にとどまることがわかりました。
この調査結果は、東京 港区で開かれた災害時に宗教施設が果たす役割を考えるシンポジウムで、大阪大学大学院の稲場圭信教授が報告しました。

調査は、稲場教授と、6つの宗教団体で作る「東京都宗教連盟」がことし7月から9月にかけて、都内の寺や神社、教会など4068の宗教施設を対象に行い、およそ3分の1にあたる1331の施設が回答しました。

東京都は、首都直下地震などで想定される帰宅困難者の受け入れ先の1つとして宗教施設の活用を進めていますが、49%の施設が「災害時に帰宅困難者を受け入れるなど自治体に協力する意向を持っている」と答えたということです。

一方、都は、帰宅困難者を受け入れる施設に対し、区市町村と災害協定を締結することなどを条件に備蓄品の購入費用を補助する制度を設けていますが、区市町村と災害協定を締結している宗教施設は4%にとどまったということです。

これについて、稲場教授は「憲法に定められている『政教分離』があるため、自治体側が消極的になっていることが要因の1つではないか」と話していました。

東京都は、今回の調査結果を踏まえて宗教施設との連携の在り方をさらに検討したいとしています。