貴ノ岩が現役引退 付け人暴行問題で

貴ノ岩が現役引退 付け人暴行問題で
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大相撲の平幕 貴ノ岩が、巡業先で付け人に暴行した責任を取って現役を引退しました。
これは、日本相撲協会が発表しました。

平幕の貴ノ岩は、日本相撲協会の調査に対し、今月4日の夜、冬巡業のために滞在していた福岡県行橋市のホテルの部屋で、一緒にいた23歳の付け人を平手やこぶしで数回殴ったことを認めて、冬巡業を途中休場していました。

相撲協会では、貴ノ岩と暴行を受けた付け人に事情を聴くなどして調査結果をまとめたうえで、今後、理事会で処分を検討することにしていましたが、7日午後、暴行の責任を取って相撲協会に引退を届け出て、受理されました。

モンゴル出身の貴ノ岩は、去年10月、元横綱日馬富士に鳥取市内の飲食店でカラオケのリモコンなどで殴られてけがをした傷害事件の被害者です。

角界ではこの傷害事件以降、暴力問題が相次ぎ、ことし10月、相撲協会は「大相撲においては、指導名目その他、いかなる目的のいかなる暴力も許さない」などとして暴力との決別を宣言しましたが、今度は、被害者だった貴ノ岩自身が加害者となって、現役を引退する事態となりました。

芝田山広報部長「再発防止に努めたい」

日本相撲協会の芝田山広報部長は「外部の有識者も入れさまざまな視点から取り組んできている中で、残念極まりないことだ。研修に研修を重ね、今回の事案を協会員に伝え、再発防止に努めたい」と話しています。

街の人は

貴ノ岩の引退について、渋谷駅前で聞きました。

60代の女性は「驚きましたが、去年、自分が暴力の被害に遭っていながらそのつらさを自覚せずに付け人に暴力を振るったということなので、しかたないと思います。親方が引退したり、部屋がかわったりしていらだちもあったと思いますが、それを弱い立場の人にぶつけるのは許せない」と話していました。

60代の男性は「まさか被害者が加害者になるとは思わなかったので、とても残念です。力士には品格を持ってほしいけれど、引退の決断は拙速で、無責任だと思います」と話していました。

また、20代の男性は「いろいろな精神的な問題が影響して暴力につながったように見えるので、引退は残念だし、かわいそうに思います」と話していました。

やくみつるさん「具体的な再発防止策を」

貴ノ岩の引退について、相撲通として知られる漫画家のやくみつるさんは、NHKの電話インタビューに応じ、「被害者だった時の自分を支えてくれた人たちを裏切る行為をしたことを、本人が重く受け止めた結果だと思う。関取と付け人には絶対的な上下関係があるので、感情をそのままぶつけてしまうことはあるが、その影響がいかに大きいか相撲界で共有する必要がある」と話しました。

そのうえで、再発防止に向けて、「日本相撲協会が訓示や説諭をしてもこれまでと変わらないので、力士たちがひと事として聞き流さず、自覚を持つように自分の言葉で暴力に訴えないという決意をひとりひとりに語らせなければならない」という考えを示しました。

繰り返される暴力問題が相撲界に及ぼす影響については、「いま相撲人気自体は活況だが、暴力によって人の心が離れてしまってはたまらない。今のうちにというには遅いが、相撲協会には具体的な策を講じてほしい」と訴えていました。