イエメン和平協議2年ぶり開催 人道状況改善できるか

イエメン和平協議2年ぶり開催 人道状況改善できるか
中東イエメンの内戦をめぐり、国連が仲介する和平協議が6日、およそ2年半ぶりに始まりました。食糧や物資が十分届かず、飢餓に直面する市民が増え続ける中で、食糧の輸入拠点となっている都市での戦闘を停止させ人道状況を改善できるかが焦点となっています。
イエメンでは、サウジアラビアなどが支援するハディ政権と、イランが支援する反政府勢力「フーシ派」との間で3年半以上にわたる内戦が続き、食糧などの支援物資が十分届かないことから、栄養失調で死亡する子どもが後を絶たないなど「最悪の人道危機」と呼ばれる状況が続いています。

こうした中、国連が仲介する和平協議が6日、スウェーデンの首都ストックホルム郊外で始まり、仲介役を担う国連のグリフィス特使が、「未来が損なわれてしまう前に行動しないといけない」と双方に呼びかけました。

2年半ぶりとなる和平協議は、政権側と反政府勢力側の代表が参加して行われ、焦点の1つは国内最大の食糧の輸入拠点となっている港湾都市ホデイダでの戦闘を停止させ、食糧の輸送などを本格的に再開することで人道状況の改善につなげられるかどうかです。

国連によりますと、協議開始に合わせて、双方が拘束している数千人規模の捕虜の交換が決まったということですが、両者の不信感は根深く、協議が停戦につながるかは不透明な情勢です。

食料貯蔵庫に近づけず

中東イエメンのWFP=世界食糧計画で支援活動にあたっている山崎和彦さんは、国内最大の食糧の輸入拠点となっている西部ホデイダの状況について、「10月上旬から戦闘が日を追うごとに激しさを増し、先月になってからは空爆や地上戦の砲撃の音が頻繁に聞こえるようになっている」と説明しました。

そのうえで、「戦闘が最も激しい場所にWFPの食糧の貯蔵庫があり、およそ370万人分の小麦粉がある場所に一切近づけない。一刻も早く食糧にアクセスできるよう強く求めたい」と話し、戦闘の即時停止を訴えました。

そして、山崎さんは「私たちが支援の最後のとりでなので、市民に食糧を届ける国連機関として前線でできることをやっていきたい」と活動への思いを語りました。

1500万人以上の人々が危機

内戦で食糧や物資が十分届かず、飢餓に直面する市民が増え続ける中東のイエメンについて、WFP=世界食糧計画は6日、「1500万人以上の人々が危機または緊急事態とも言える状況にある」とする声明を出しました。

声明では、「持続的な食糧援助がなければ、そうした人々が2000万人にまで増えるおそれもある」として長期的な支援の必要性を訴えています。

さらに「6万5000人が食糧不足による破滅的な状況、または、飢餓に近い状況に置かれている」と指摘し、支援が届かなければその数は23万7000人に上るおそれがあると強い懸念を示しています。

少年兵と地雷の実態

ニューヨークの国連本部では国際的な人権団体などが現地の状況を話し合う会合を開き反政府勢力が子どもたちを兵士にしたり、地雷を使ったりして、大きな被害が出ていることが報告されました。

このうち、少年兵については、国際的な人権団体の責任者で、イエメン出身のマフムード・アラザニ氏が、解放された少年兵や現地で活動している国連機関などの情報をもとに去年1年間に842人の少年が兵士として活動しその3割に当たる268人が死亡したと明らかにしました。

また、少年兵の9割は反政府勢力「フーシ派」に属していて、「フーシ派」は貧困家庭の子どもに経済援助を申し出たり、学校などで戦闘に加わるよう洗脳したりして子どもたちを兵士にしているということです。

そのうえで、アラザニ氏は、首都サヌアで撮影したとする、銃をかついだ少年と学校かばんをかついだ少年が行き交う写真を紹介し、これは、「未来を失う道と未来を作る道があることを示している」と述べ少年兵をなくすよう訴えました。

また、紛争下の武器の使用や流通状況を調べている紛争兵器研究所のジョナ・レフ氏は、反政府勢力が拠点とするホデイダなどイエメン西部の沿岸部に少なくとも7万5000個の地雷が仕掛けられていて、市民の死傷者が後を絶たないと指摘したうえで、「戦闘が続いているため地雷の除去ができない」として一刻も早い停戦が必要だと強調しました。