ハロウィーン騒ぎで逮捕の4人「酒とノリで」

ハロウィーン騒ぎで逮捕の4人「酒とノリで」
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ハロウィーンの直前の週末に東京・渋谷で軽トラックを横転させたとして逮捕された4人の男らは互いに面識はなく、「酒を飲んだ勢いやノリでやってしまった」と供述していることが、捜査関係者への取材で分かりました。警視庁は、大勢が集まったことで行動が過熱したとみて調べています。
10月28日の未明、東京・渋谷のセンター街で軽トラックを横転させて壊したとして、東京・世田谷区の会社員、糀原翔大容疑者(20)ら4人が、集団的器物損壊の疑いで逮捕されました。

その後の調べで4人は、互いに面識はなく、山梨県富士吉田市の建設業、川村崇彰容疑者(22)は「酒を飲んだ勢いやノリでやってしまった」と、東京・目黒区の美容師、國分陸央容疑者(20)は「ハロウィーンでわくわくして好奇心からやった」と供述していることが分かりました。

また、川崎市の建設作業員、黒木裕太容疑者(27)も「みんなで車を横倒しにしているのを見てやった」と供述していて、警視庁は大勢が集まったことで行動が過熱したとみて調べています。

ほかにも、日本人6人と、イギリス、フランス、ベルギー人などの外国人5人の、17歳から37歳の男、合わせて11人も横転に関わったとして、今後、書類送検する方針です。

4万人の中から…カメラ捜査で特定

今回の事件で、警視庁は軽トラックを横転させた15人を特定し、このうち4人についてはその行為が特に悪質だと判断し逮捕しました。

警視庁は現場を管轄する渋谷警察署のほか、防犯カメラなどの回収にあたる捜査1課の初動班、さらに通称、SSBC=「捜査支援分析センター」も加わって捜査しました。

警視庁は、裁判員裁判制度を控えた平成21年に客観的な証拠収集を強めるため、「捜査支援分析センター」を新たに開設するなど、防犯カメラやスマートフォンの画像など映像捜査に力を入れています。

警視庁によりますと、この日、渋谷には4万人が集まっていて、捜査員43人態勢で250台の防犯カメラの映像や周りで撮影していた人の動画を最新の技術で解析したほか、車を横転させた男らが事件後、どこに向かったのかなどの足取りも特定しました。

投稿動画に横転の瞬間も

ユーチューブには、横転の瞬間の動画が投稿されています。

動画では、軽トラックが多くの若者らに囲まれる中、荷台に2人の男が乗り込んで、周辺にいる人たちをあおりながら、跳びはねたりして騒ぐ様子が確認できます。

そして2人が荷台から降りたあと、軽トラックの側面を10人前後の男たちが持ち上げて横転させていました。

横転させたあとも、男らがかわるがわる車の上に乗って車体を大きく揺らして騒いでいました。

周辺にいる人たちも、一緒になって騒いだり、横転させる様子をスマートフォンで撮影したりしていました。

専門家「トラブルは簡単になくならない」

社会心理学が専門で東洋大学社会学部の戸梶亜紀彦教授は、当時は大勢の人が集まったときに見られる「群集心理」が働いていたと指摘したうえで、「集団の中で仮装して匿名性が高まると、軽率な行動を取りやすくなる。さらに同調する人がいるとエスカレートしやすい」と話していました。

逮捕者が出たことについては「一定の抑制効果はあると思うが、人が大勢集まるとはめを外す人がいるので、こうしたトラブルは簡単にはなくならない」と指摘していました。

そのうえで「楽しむことは悪くないが、渋谷には住んでいる人も働いている人もいる。一人一人が節度ある行動を取るのはもちろんだが、新たな規制や決まりを設ける必要もあるのではないか」と話していました。
東京・品川区にある防犯システムの販売会社では、肉眼では確認できない体の細かい振動を感知する最新技術を用いた映像解析のソフトウエアを販売しています。

人は感情が高まったりストレスを感じたりすると、無意識に体の揺れ幅や回数が変化します。

渋谷のハロウィーンでも、ふつうに歩いている人には反応しませんが、車を横転させようとする人など不審な行動や異常な心理状態にある人を見つけ、効率的な警備につなげることができるということです。

実際に万引きや強盗の瞬間をとらえた映像では、体の揺れ幅などから、店に入店してまもなく不審者だと検知されました。

このソフトウェアは、およそ20か国の警察や空港などで導入されていて、オリンピックやサミットでも活用されたということです。

「エルシスジャパン」の野中琴葉さんは「不特定多数の人をやみくもに警備するのではなく、注意しなければいけない人を効率的に見つけることもできます。ただ記録するだけの従来の防犯カメラの一歩先をいく技術として期待されています」と話していました。