中国「独身の日」ネットセール始まる

中国「独身の日」ネットセール始まる
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中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日、インターネット通販各社の大規模な値引きセールが一斉に始まり、ことしは、期間中、去年より25%多い19億個近い荷物が配送されると見込まれています。
中国では、11月11日は、独身を意味する数字の「1」が4つ並ぶことから、「独身の日」と呼ばれ、この日にあわせてネット通販各社が行う大規模な値引きセールが、恒例のイベントとなっています。

このうち、10回目となる「独身の日」のセールを行った中国のネット通販最大手、アリババグループは、大規模な催しを上海で開きました。

会場では、現地時間の11日午前0時、日本時間の午前1時からのセール開始と同時に、巨大な画面に取引額が表示され、わずか2分5秒で100億人民元、日本円でおよそ1600億円を超え、去年の記録を上回ったとアピールしていました。

アリババによりますと日本時間の11日午前9時過ぎには、1207億元、日本円で1兆9000億円を超え、1日の売り上げは3兆円を超えると見込まれています。

中国の国家郵政局は、11日から今月16日までの「独身の日」の期間中、去年よりも25%多い18億7000万個もの荷物が配送されると見込んでいます。

一方、「独身の日」を巡っては、去年、中国の消費者協会が、ネット通販各社が、セールの直前に価格をいったん値上げすることで大幅な値引きに見せかけるなど、商品の8割近くが本当の安売りではなかったという報告をまとめています。

また、ここ数年、ネット通販各社が「独身の日」以外にも、独自にセールの日を設けるようになるなど、市場規模が拡大するなか、企業間の競争も激しさを増しています。

日本企業にとってもビジネスチャンス

中国では、スマートフォンなどでインターネットを利用する人が8億人を超え、それに伴いネット通販市場も急速に成長しています。

中国・商務省によりますと、中国のネット通販の市場規模は、ことし1月から9月までで、4兆7938億人民元、日本円でおよそ78兆円と、去年の同じ時期に比べ、28%近く増加しました。

この規模は、中国の小売り売り上げ全体の17%あまりを占めています。また、中国では、海外から商品を取り寄せる「越境EC」と呼ばれるネット通販の取り引きも増えています。

経済産業省の推計によりますと、中国の消費者が日本の商品を購入した越境ECの総額は、去年、前の年を25%あまり上回るおよそ1兆3000億円に達し、日本企業にとって大きなビジネスチャンスとなっています。

ネット通販セールに日本企業も参入

東京中央区に本社を置く「日本香堂」は、440年余りにわたって受け継いできたという技術で線香などを製造しています。天然の香木ならではの香り高いお香が外国人旅行者の間で人気となり、取引先の中国のデパートでも売れ行きが好調なことから、「独身の日」の商戦にことし初めて参入することを決めました。

中国の利用者向けのスマートフォンのアプリを通じて売り出していて、人気商品の生産量をこの時期としては例年の5倍に増やしました。

土屋義幸社長は「国内では人口減少を背景に線香の消費量が減る傾向にある。『独身の日』をきっかけに、東南アジアなどにも販路を広げていきたい」と話していました。

アプリを開発したのは東京のIT企業「インアゴーラ」で、中国語による商品説明の作成や物流、決済までを代行し、出店する日本の企業はこの会社が国内に設けた倉庫に納入するだけです。

お香のほか、メガネやごま油などを手がける国内の老舗の出店も相次ぎ、会社では「独身の日」の売り上げを去年の3倍に増やしたいとしています。

インアゴーラの下浩子執行役員は「中小企業の中には越境のネット通販を『ハードルが高い』と感じているところも多い。日本企業が作った質の高い商品は売れるので、ネット通販への参入を後押ししていきたい」と話していました。

拡大続く中国の「越境EC」

経済産業省によりますと、「独身の日」に代表される中国の消費者がネットを通じて日本の企業の商品を買う、いわゆる「越境EC」の規模は、去年、およそ1兆3000億円と、前の年から25%余り増加しました。

3年後の2021年には2兆8000億円余りと、去年の2倍以上に拡大すると見込まれていて、日本の企業にとって大きな伸びが期待できる有望な市場となっています。