一度に5000個も…青森でりんごが大量盗難

一度に5000個も…青森でりんごが大量盗難
k10011706091_201811102100_201811102121.mp4
日本一のりんごの生産地、青森県で、収穫前のりんごが大量に木からもぎ取られて盗まれる事件が相次いでいます。盗まれたりんごはすでに1万個を超え、去年の13倍となっています。
大量盗難が始まったのは先月13日からです。

青森市のりんご畑で「紅玉」と「レッドゴールド」という品種、合わせて800個がもぎ取られたのに続いて、25日には平川市のりんご畑で「ふじ」と「金星」という品種、合わせて1700個がもぎ取られていました。

被害は止まらず、27日には弘前市で収穫を始めたばかりの「ふじ」4300個がもぎ取られているのが見つかったほか、30日には黒石市で1200個の「ふじ」が、そして今月1日にもつがる市で「ふじ」5000個が盗まれました。

警察に届け出のあった、りんごの盗難数は合わせておよそ1万3000個で、被害金額は140万円余りに達しています。

りんごの盗難は去年は1030個で、ことしはすでに去年のおよそ13倍に上っています。

被害にあったの農家の女性は「いいりんごばかり持って行ったのでプロだと思う。りんごを作っている人だったら考えられない。台風の被害を乗り越えたのに最後に盗まれたのは悔しい」と話していました。

盗まれたりんごは、収穫の時期を迎えた実だけを選んで、ヘタの上の部分からきれいにもぎ取られていて、警察は、りんごの扱いに慣れたグループがもぎ取って車で運び去った疑いが強いとみています。

夜間パトロールや監視カメラで警戒

りんごの盗難が相次ぐ中、青森県内では警戒の動きが強まっています。

先月、盗難被害があった弘前市高杉地区では、地元のりんご農家が中心になって毎晩、畑の周辺でパトロールを続けています。

農家の人たちは、青い回転灯のついたパトロール用の車に乗り、1時間以上かけて地区の隅々まで巡回しながら、不審な人物がいないか監視していました。

また、収穫したりんごを出荷用の箱に入れたまま放置している畑を見つけると、盗難への注意を呼びかけるチラシを置いていきました。

パトロールに参加している生産農家の五十嵐清昭さんは「自分も農家なので、ほかの人の生活の糧がなくならないようパトロールを続けていきたい」と話していました。

また、県内でりんごの栽培面積が最も広い弘前市は、監視カメラを試験的にりんご畑に設置することを決めました。

このカメラは野生生物の撮影用で、人間や動物の動きをセンサーが感知すると自動的に作動し、夜間でも動画や静止画を撮影できます。

盗難防止への効果が確認されれば、本格的な導入に向けて検討を進めるとしています。

桜田宏市長は「こうした取り組みで少しでも事件が減ることを期待している」と話していました。

りんごの品薄と価格上昇が影響か

盗難が相次ぐ背景には、りんごが台風などの影響で品薄になっていることと、価格が上昇していることがあるとみられています。

青森県ではことし、「黒星病」というりんごの病気が各地で確認され、18年ぶりに「注意報」が出されました。

感染した疑いがある葉や実は早く取り除く必要があり、例年なら収穫できたはずの実が栽培の過程で取り除かれるケースがありました。

また、ことしは台風の接近も続き、特に9月の台風21号では強風で実が落ちる被害が相次ぎました。

こうした影響もあって、日本一のりんご産地、弘前市の青果市場に、今月5日までに出荷された主力品種の「ふじ」は、例年より1割ほど少なくなっています。

一方、青森県によりますと、ことし9月、国内の主な市場で取り引きされた青森県産のりんごの1キロ当たりの平均価格は309円で、この時期としては過去10年で最も高くなりました。

青果市場の関係者は価格の上昇について、りんごが品薄になっていることに加え、7月の西日本豪雨や相次いだ台風の影響で、かんきつ類やぶどう、梨などの競合する果物の収穫量も減ったことや、台湾をはじめとする海外からの引き合いが依然として多いことなどがあるとみています。

青森のりんごをPRするイベントも

青森県産のりんごが収穫のピークを迎える中、東京・銀座では、りんごを使った料理や飲み物で、「青森のりんご」をPRするイベントが開かれています。

イベントは、東京・銀座の商業施設を会場に、飲食店や県が協力して開き、会場には、壁にりんごをデザインしたバー・カウンターも登場しました。

会場では、青森県産りんごを使った肉料理から、りんごを丸ごと1個使ったカクテルなどさまざまな料理や飲み物を味わうことができ、りんご好きの人たちが試飲や試食を楽しんでいました。

娘と家族で訪れた都内に住む40代の女性は、「家族そろってりんごが好きなので、楽しみにしてきました。とてもおいしい」と話していました。

PRに訪れた青森県総合販売戦略課の藤田真理子さんは、みずからも試食にたちあい「農家が丹精込めて育てた。多くの人に味わってほしい」と話していました。

一方で、産地で盗難被害が相次いでいることを受けて、「手塩にかけて育てたわが子のようなりんごが持って行かれてしまうのはとても残念なことです。農家の方々が生産に励む力になるように、多くの人においしいりんごを買っていただきたい」と話していました。