サッカーJ1 川崎が優勝 2年連続2回目

サッカーJ1 川崎が優勝 2年連続2回目
サッカーJ1は第32節が行われ、首位の川崎フロンターレは敗れたもの逆転優勝の可能性を残していた2位のサンフレッチェ広島も敗れフロンターレの2年連続2回目の優勝が決まりました。J1での連覇は2013年のサンフレッチェ広島以来5チーム目です。
J1は、首位のフロンターレを2位のサンフレッチェ広島が勝ち点差「7」で追う状況で第32節を迎えました。

フロンターレは、午後2時から大阪市のヤンマースタジアム長居でセレッソ大阪と対戦しました。

就任2年目の鬼木達監督のもと豊富な運動量をベースにした攻撃的なサッカーを優勝がかかる試合でも見せ、開始直後から攻め込む場面が続きましたが、ゴールを奪えず前半を0対0で終えました。

先制点を奪われ1点を追う展開となった後半は7試合負けなしできた粘り強さを発揮し、終了間際に家長昭博選手がペナルティーキックを決めて、いったんは1対1の同点に追いつきました。

しかし、直後に勝ち越しゴールを決められ、1対2で敗れ勝ち点を63から伸ばせませんでした。

一方、唯一逆転優勝の可能性を残していた2位のサンフレッチェは同じ時間に行われた試合でベガルタ仙台に0対1で敗れ、勝ち点を56から伸ばせませんでした。

この結果、フロンターレとサンフレッチェの勝ち点の差は7のままで残り2試合で逆転する可能性がなくなりフロンターレの2年連続2回目の優勝が決まりました。

J1での連覇は、2013年のサンフレッチェ以来5シーズンぶりで5チーム目となります。

川崎フロンターレ 優勝までの軌跡

川崎フロンターレは昨シーズン初めてのJ1優勝を果たし、今シーズンは、ライバルを迎え撃つ立場となりました。

主力に大きな入れ替えがなかったこともあり就任2年目の鬼木達監督のもと「積み重ね」を合言葉に豊富な運動量をベースにした攻撃的なサッカーに磨きをかけました。

シーズン序盤は驚異的なペースで白星を重ねたサンフレッチェ広島に最大で勝ち点13の差をつけられたものの優勝が決まったあと、鬼木監督が「焦りはなかった。やるべきことをやることに尽きる」と振り返ったようにワールドカップロシア大会による中断が明けた7月から追い上げを始めました。

チームの顔、中村憲剛選手や去年、得点王に輝いたキャプテンの小林悠選手が献身的なプレーでチームを引っ張り、その背中を見て、ルーキーの守田英正選手など若手もしっかりと力を出し切るプレーを見せてきました。

特にボールを奪われても前線から積極的なプレスをかけて中盤で取り返し、ショートカウンターに持って行く形は、フロンターレを象徴する攻撃パターンとなりました。

一方で去年から重視している守備への意識も高まり、副キャプテンを務めた27歳の谷口彰悟選手を中心に堅実な守りを見せました。

ここまでの32試合のうち25試合で失点を1点以内に抑えています。

10日は敗れたもののシーズン後半は勝負強さを発揮し9月29日に首位に立ってからは一度も敗れることなく2位との差を広げていきました。

そして、通年で争ったシーズンでは2010年に3試合を残して優勝を決めた名古屋グランパスにつぐ早さとなる2試合を残しての優勝を決めました。

チームの得点はリーグで2番目に多い53点、一方、失点は最も少ない26点。

終わってみれば、連敗は1回のみとシーズンを通して、安定した力を発揮する王者らしい戦いぶりで史上5チーム目となるJ1連覇を果たしました。

鬼木監督「1年間の積み重ねが実を結んだ」

サッカーJ1で連覇を果たした川崎フロンターレの鬼木達監督は試合後の記者会見で優勝をかけて臨んだ10日のセレッソ大阪について「選手たちは、気持ちも入っていたし声も出ていたのでいつもと変わらなかったが多少、動きが硬かった。負けて悔しい思いもあるけどきょうは喜びたい」と振り返りました。

そのうえで「他のチームからのマークが厳しくなる中、自分たちが常々、優勝というものを意識しながら戦えたことがきょうの優勝につながったと思う。1年間の積み重ねが実を結んだと思う」と笑顔で話していました。

中村「連覇はすごいこと」

川崎フロンターレの38歳のベテラン、中村憲剛選手は「勝ってすっきりと優勝を決めたかった。去年の初優勝は、とにかくうれしかったが、ことしはうれしさよりほっとした気持ちの方が強い」と話しました。

そのうえで「リーグ連覇はシーズンを通してやってきた成果なので、喜んでいいと思う。夏を過ぎてからチームとしてやるべきことを徹底したことで思うような試合ができるようになってきた。連覇は5チームしか達成していない。すごいことだと思う」と振り返っていました。

家長「プレッシャー感じながら連覇 うれしい」

川崎フロンターレの家長昭博選手は「緊張感のあるなかでゴールを決められたが、負けてしまったのできょうの試合に関してはよくなかった。それでも去年とは違って追いかけられるプレッシャーを感じながら連覇することができてうれしい」と話していました。

そして「シーズン中はよいときも悪いときもあったがチーム全員で助け合いながら好不調の波を少なくできたことが優勝につながったと思う」と話していました。

サンフレッチェ広島 勝負どころで失速 優勝逃す

川崎フロンターレと優勝を争ったサンフレッチェ広島は、シーズン前半に首位を独走しながら勝負どころで失速し、3年ぶりの優勝を逃しました。

夏場以降、持ち味だった堅い守りが崩されたうえ、得点源のエースが徹底的なマークにあい、攻守ともに悪循環を抜け出せませんでした。

昨シーズン、15位と低迷したサンフレッチェは、FC東京などで指揮を執った城福浩監督を新たな指揮官に迎えました。

優勝候補との対戦が続く序盤で手堅く勝ち点を積み上げようと、しっかりと守りを固めたうえで素早く攻撃に転じる「堅守速攻」の戦術でシーズンに臨みました。

これが当たって、第3節で去年2位の鹿島アントラーズ、第5節で連覇を狙うフロンターレを破るなど、序盤から勝ち点を重ねて首位に立ち、2位との勝ち点の差を最大で「10」まで広げました。

しかし、夏場以降、ほかのチームに研究されて持ち味だった堅い守備が崩れ、9月29日のガンバ大阪戦から10日まで5連敗を喫し、この間の失点は10点に上りました。

主力の青山敏弘選手は「あれだけよかった守備がことごとく崩され、あっさり失点を重ねてしまっている。『我慢する』という言葉にしかならない」と苦しい状況を明かしていました。

一方、攻撃面では、ブラジル人のフォワード、パトリック選手に頼りすぎたことも失速の要因となりました。

最後までツートップの「相方」を固定できず、パトリック選手へのマークが次第に激しさを増すと第28節からエースは得点を奪えなくなり、チームは完全な得点力不足に陥りました。

攻守ともに悪循環から抜け出せず、首位を明け渡した9月下旬以降、優勝したフロンターレを追いかける力はありませんでした。

城福監督は「序盤から思いのほか勝ち点が積み上がって、ほかのチームのターゲットになったうえ、勝ち続けていたから戦術などを変えられない難しさもあった。クオリティーの高さとハードワークの両方がなければJ1は戦えない。これをいい経験として、このチームが目指していくものを作りあげていきたい」と今後を見据えていました。