豪雨被害の広島 人手不足で復旧進まず

豪雨被害の広島 人手不足で復旧進まず
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ことし7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県では、復旧工事の前提となる設計や測量の業者が人手不足などで確保できず、460か所以上で作業が滞る事態となっています。このままでは復旧や復興の遅れが懸念されるため、県では、入札の参加要件を県内から全国に広げる措置を始めました。
広島県によりますと、西日本豪雨による河川や道路などの土木関連の被害は、政令市で別集計となる広島市を除いても、およそ7000か所に上っています。

県は、補正予算と国からの補助で復旧工事を急ぎたい考えですが、被害が広範囲なうえ、深刻な人手不足で、本体工事の前提となる設計や測量の業者が確保できず、467か所で作業が滞る事態となっています。

このため、広島県は、入札の参加要件を県内に事業所を置く業者から、全国を対象にした公募に緩和する措置を始めました。

ただ、設計や測量を終えても、課題があります。国から補助を受けて工事を着工させるには、設計や測量の終了後に「災害査定」を受ける必要がありますが、各自治体とも人手不足で申請が追いつかず、広島県内で査定を終えたのは10%余りにとどまっています。

これまでの各地の災害でも、人手不足による復旧工事への影響が出ていましたが、西日本豪雨の被災地広島でも、復旧や復興の遅れへの懸念が強まっています。

人手不足は農林関係にも影響

測量・設計業者の不足は、河川や道路などだけでなく農林関係の施設の復旧工事にも影響を及ぼしています。

県によりますと、復旧工事が必要なため池や農道などの農林関係の施設は、およそ5400か所で、このうち少なくとも1600か所で、測量・設計の業務が滞っています。

県は、業界団体を通じて全国の業者に参加を呼びかけたり、国にも要請したりしてきましたが、それでも追いつかない状態です。

広島県の北山忍技術管理担当監は「日本の公共事業が大幅に減る中で技術者数も減っている。技術者は、養成に時間がかかり、災害が起きたからといってすぐに増えるわけではないので、確保が大変だ」と話しています。

そのうえで、入札の参加要件を緩和するなどの県の対応について、「今回は、県外から参加してくれた場合は滞在費を県が負担するなど、今までにない特例の措置を取っている。影響度の高い工事を優先的に進めるとともに、コンサルタントに加え、今後は建設業者の確保も課題になってくるので、全力で取り組んでいきたい」と話していました。

復旧工事の停滞 住民から不安

広島市安佐北区の白木町では、7月の豪雨の際、地区を流れる河津川があふれ、およそ50か所で、護岸施設や道路の崩落などが相次ぎました。

この地区でも、設計や測量作業が追いつかず、本格的な復旧工事には取りかかれていません。

今も危険な状態の被災現場近くに住む住民は、不安を募らせています。

川沿いで米づくりをしている61歳の男性は「また大雨が降ったときに、被害が起きはしないかと不安です。早く復旧工事を進めてほしいです」と心配していました。

また、川沿いに住む60歳の男性は、「被害を受けた場所は多く、工事がなかなか進まないのもしかたがないかもしれませんが、通れない場所があるのは不便ですし、不安です」と話していました。