大濠公園の花火大会 来年以降開催せず 安全確保困難 福岡

大濠公園の花火大会 来年以降開催せず 安全確保困難 福岡
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福岡市の大濠公園で毎年開かれてきた花火大会について、主催者の西日本新聞社は収容力を超えた見物人が殺到して安全性が確保できないとして、来年以降、開催しないことを決めました。
福岡市の大濠公園の花火大会は戦没者の鎮魂と戦後の復興を願って昭和24年に始まり、一時中断や休止もありましたが地元の夏の風物詩として親しまれてきました。

ことしも先月1日に開かれて、およそ6000発の花火が夜空を彩り40万人以上でにぎわいましたが、主催者の西日本新聞社は来年以降、開催しないことを決めて14日の朝刊に掲載しました。

理由については、公園内で大勢の人が滞留して事故につながりかねないことや公園の外でも座り込む人がいてパトカーや救急車の通行の妨げになりかねないことを挙げて、「安全・安心」の確保が限界に達したと説明しています。

さらにことしの大会で起きた、子どもたちが大切に育ててきたひまわり250本が踏み荒らされた問題について、「会場の収容人数をはるかに超える観覧希望者が殺到している現状の一端だ」としています。

西日本新聞社広報部は「数年来、安全確保の議論を重ねてきましたが実施は困難と判断しました。長年にわたり大会を愛してくださった皆様に心より感謝を申し上げます」とコメントしています。

市民は「ショック」「残念」

長年続いてきた花火大会の打ち切りが決まったことについて、市民からはさまざまな意見が聞かれました。

会場近くのマンションに住む70歳の女性は、毎年花火大会に合わせて東京から帰省する子どもや孫と見るのが楽しみだったと話し、「ショックです。なんとか復活できないか探ってほしい」と訴えていました。

市内の43歳の男性は「子どものころは親と一緒に、年頃になったら彼女と、そして、今は自分の家族と来ていただけに寂しいし残念だ。こうなる前に見る側がマナーを考える必要があったのではないかと思う」と話していました。

主催団体会長「花火に代わる新たなにぎわいを」

花火大会の主催団体の1つ、「おおほりまつり振興会」の宮原泉会長(89)は「大会は地域ににぎわいをもたらしてくれていたのでなくなるのは残念だが、けが人が出たり花壇が踏み荒らされたりしていたので安全性が確保できないという判断も理解できる。花火に代わる新たなにぎわいを作り出したい」と話していました。

毎年けが人10人以上

消防によりますと、この花火大会ではここ3年連続で毎年10人を超えるけが人などが出て、応急救護所で手当てを受けたということです。

ことしはフェンスを乗り越えようとして顔を切るけがをしたり、混み合う駅で転倒したりして、3人が病院に搬送されました。

花火大会の警備を担当したことがある地元の警察幹部の1人は「周辺を住宅街に取り囲まれている公園なので、1か所に人が集中しやすく、リスクが高い」と指摘したうえで「以前は最寄り駅が公園の北側だけだったが、新しい路線が開通して南側からも人の流れができた影響が大きい」と話しています。

煙火協会「残念だが安全がいちばん」

花火メーカーなどでつくる日本煙火協会の河野晴行専務理事は「マナーの悪さも影響して花火大会が打ち切られるというのは聞いたことがない。非常に残念だが地元の人にとっても見物する人にとっても安全がいちばん重要で、主催者側の事情は理解できる」と話しています。

ネット上でも賛否

ネット上では突然の打ち切りを惜しむ声や理解を示す声がある一方、これまでの一部のマナーの悪さを指摘する声もありました。

このうちツイッターには「めっちゃ思い出いっぱいあるから悲しすぎる」とか、「大濠の花火大会終わりなのかあ……一回くらいいっとけばよかったなあ」など、惜しんだり悔やんだりする声のほか、「抑止できず大きな事故がある前に中止したのは英断」、「救急車が動けなくなってるのは実際に見たし、安全管理の限界もあっただろうし難しいな」と理解を示す意見もありました。

一方で「毎年花火大会後はおびただしいゴミが散乱し、それに加えことしはヒマワリ花壇の件もあり、残念ですが終了もやむをえません」など、これまでの一部のマナーの悪さを指摘する声もありました。