ソフト日本代表 東京五輪へ向け課題が明確に

ソフト日本代表 東京五輪へ向け課題が明確に
12日まで日本で20年ぶりに開催されたソフトボールの世界選手権。東京オリンピックの前哨戦となった大会で、日本は、最大のライバル、アメリカに延長戦の末に敗れ、2大会連続の準優勝でした。
狙っていた優勝はつかめずオリンピックへの宿題を残した形となった日本、それでも2年後の本番で金メダルをつかむための準備はすでに始まっていました。

今回の世界選手権、日本代表を率いる宇津木麗華監督は、優勝を狙っていく中で大会前にこう話していました。
「2020年に向けて若手選手に経験を積んでほしい」。
世界選手権を“育成の場”としても位置づけていました。

そのことばを象徴した試合が、アメリカに延長のタイブレークで敗れた準決勝です。決勝進出をかけた最大のライバル相手の試合の先発は、エースの上野由岐子投手ではなく、チームで二刀流の活躍をみせる藤田倭投手でした。「上野が先発なら勝つかもしれないが、それだけが目的ではない」。
アメリカとの大事な一戦だからこそ、東京オリンピックを見据えて期待の若手にマウンドを託しました。

接戦となったこの試合、藤田投手は7回までに100球近くを投げていました。それでも宇津木監督は、同点で延長戦に入っても続投させます。

その狙いを、宇津木監督はこう話しました。
「上野がいないと思って頑張りなさいと伝えていた。彼女が成長しないと2020年は難しい。延長戦だからしんどいとかは考えずにこれも練習だと思って成長してくれたらいい」。

2年後の本番で金メダルを取るために、日本のエースに君臨する上野投手以外に、軸になるピッチャーを育てなければならないという宇津木監督の強い意志が感じ取れました。

試合は敗れました。

それでも藤田投手は、「上野さんと同じレベルになっていないと東京オリンピックのマウンドには立てない」と2020年に向けた思いを強くしていました。

その一方で、敗者復活戦と決勝の2試合を1人で投げ抜いたエースの上野投手は、みずからが38歳となる2年後に向けては大きな課題を感じたといいます。

今回の日本代表には、藤田投手以外にも18歳の勝股美咲投手、23歳の濱村ゆかり投手も選ばれていました。しかし、メダルを争う決勝トーナメントでは勝股投手が1イニングのみ、濱村投手は登板がありませんでした。

上野投手は2人に対して、「使ってもらえるレベルじゃない。もっと若いピッチャーはスキルを磨くべきだ」と決勝のあと厳しいことばを残しました。

日本は、上野投手が敗者復活戦と決勝の2試合を1人で投げ抜いたのに対し、アメリカは決勝で5人のピッチャーをつなぎました。
東京オリンピックでもアメリカが最大のライバルになることは間違いありません。

2年後、金メダルをつかむためには、上野投手に頼り切らず、いかに負担を減らしていくかという課題が、今回の世界選手権を通じて改めて浮き彫りになったと言えます。

日本代表は、今月、ジャカルタで始まるアジア大会にも同じメンバーで参加する予定です。

東京オリンピックまで2年、本番で金メダルを獲得するためにソフトボール日本代表がこの課題を克服できるか。若手投手が経験を積み、上野投手に次いで軸となるピッチャーが出てくるのか。

宇津木監督は、「自分自身もいろいろな経験をして再スタートしなければいけないと思った。希望を持ってあすから頑張る」とすでにその目は先を見据えていました。