仏政府が新たなテロ対策 受刑者の出所後の監視強化へ

仏政府が新たなテロ対策 受刑者の出所後の監視強化へ
フランス政府は、国内の刑務所から、テロの罪で起訴された受刑者や刑務所内で過激な思想の影響を受けたとみられる受刑者が、来年末までに450人出所する見通しだと明らかにし、出所したあとの監視を強化することなど、新たなテロ対策を発表しました。
フランスのフィリップ首相は13日、パリ郊外で記者会見を行い、過激派組織IS=イスラミックステートが弱体化したことで、フランス国外から指示が出されたテロの脅威は減っているものの、国内の単独犯のような形でテロ事件が起きるケースが増えていると指摘しました。

そのうえで、テロの罪で起訴された受刑者およそ50人に加え、一般的な犯罪で収監されたあと刑務所内で過激な思想の影響を受けたとみられる受刑者400人余りが、来年までに出所する見通しだとして、出所したあとの監視を強化するために、警察のテロ対策調整室に特別な部署を発足させるとしています。

また、捜査も強化するために、検察にテロ事件を専門に担当する部署を新たに設置するということです。

フランス政府は、去年1月以降、25件のテロ計画を未然に防いだとしていますが、ことし5月にはパリ中心部で当局の監視対象だった男が通行人を殺害するなど、治安当局の人員が限られる中でテロを防ぐ難しさも指摘されています。

革命記念日とサッカーW杯決勝で最大規模の警備態勢

フランス政府は、今週末からフランスの革命記念日とサッカーワールドカップロシア大会の決勝戦が続き、大勢の人々が街頭に繰り出すと予想されることから、これまでで最大規模となる警備態勢で、群衆を狙ったテロへの警戒を強める方針です。

フランスでは、14日の土曜日が1789年から始まった革命を記念する日で、翌15日の日曜日にはフランスがクロアチアと対戦するサッカーワールドカップロシア大会の決勝戦があり、各地で大勢の人々が街頭に繰り出す見込みです。

これを前に、フランス内務省は13日、この2日間にこれまでで最大規模となる11万人の警察と治安部隊を全土に配置し、テロへの警戒を強める方針を明らかにしました。

フランスでは、おととしの革命記念日に南部のニースでトラックが花火見物の群衆に突っ込み、86人が死亡するテロ事件が起きています。

また、ワールドカップの決勝戦にあわせて、少なくとも230か所で試合の中継を屋外のスクリーンで見ることができる「ファンゾーン」が設けられる予定です。

パリの「ファンゾーン」に隣接するエッフェル塔では、警察からの要請で、この2日間は閉鎖することを決め、フランスは厳しい警戒態勢の中で2つの大きなイベントを迎えます。