「アレフ」今も松本元死刑囚の教えを守る

「アレフ」今も松本元死刑囚の教えを守る
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オウム真理教から名前を変えた「アレフ」が、死刑が執行された麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚の教えを忠実に守る形で今も教義を広めていることがNHKが入手した資料でわかりました。専門家は「事件への反省や犠牲者への謝罪の態度が見られない」と指摘しています。
「アレフ」について、公安調査庁は、今も松本元死刑囚に帰依し、かつての危険な体質を維持していることがうかがえるとして、関連施設に立ち入り検査を行うなど警戒を続けています。

こうした中、NHKは関係者を通じて数年前に「アレフ」が会員に渡した教本3冊とCD2枚を入手しました。

このうち、「新会員の願いをかなえる宝石の言葉」という教本は、「麻原彰晃です。さあ、あなたはいよいよ、入会なさいました」という書き出しで始まります。

さらに「マスコミを中心として、大いなる悪魔がこの世の中を支配しているのである。したがって、悪魔と対決し、悪魔を粉砕し、そしてわたしは必ず、自己の最終的な悟り・解脱を得るんだ」などと社会と敵対するような姿勢をとるよう求めています。

また、「マントラ」と呼ばれる呪文を最低30万回は唱えるよう求めているほか、「修行するぞ」、「救済するぞ」などということばが繰り返し書かれ、松本元死刑囚の教えに忠実に従うよう求めています。

一連の事件のあと、オウム真理教を脱会し、今も「アレフ」の信者と交流があるという元信者の男性は「今も松本元死刑囚への信仰を続けていて、基本的な教義は変わっていない」と話しています。

これらの教本について、心理学者でオウム真理教の実態について研究している立正大学の西田公昭教授は「明らかに教祖を神格化しようとしており、麻原彰晃を信じなさいと言っているに等しい。教団の教えはオウム真理教のころと全く変わっておらず、事件への反省や犠牲者への謝罪の態度が見られない」と指摘しています。

NHKは教本の内容について「アレフ」の広報に取材を申し込みましたが、これまでに回答はありませんでした。

公安調査庁一斉立ち入り 危険な兆候は見当たらず

オウム真理教の元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚ら教団の元幹部7人の死刑が執行されたことを受けて、公安調査庁は、執行された今月6日から3日間にわたって「アレフ」など14の都道府県にある29か所の施設に、およそ370人の態勢で一斉に立ち入り検査を行いました。

その結果、松本元死刑囚の写真を祭壇に飾っている施設もあったなど松本元死刑囚に帰依し、かつての危険な体質を維持している状況が伺えるとしていますが、執行前と大きな変化はなく、今のところ、危険な兆候は見当たらなかったということです。

公安調査庁は引き続き、信者が動揺したり、松本死刑囚の神格化が進むことで団体の結束が強まったりするなど、さまざまな事態が想定されるとして、警戒を続けています。

アレフ居住施設内を独自に撮影

オウム真理教から名前を変えた「アレフ」の信者が居住する施設内で、公安調査庁が立ち入り検査をしている様子をNHKは独自に撮影しました。1週間前、元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚ら教団の元幹部7人の死刑が執行されたことを受けて、その当日に行われたものです。

調査官が台所の棚や和室などを見て回り、この施設には、数人の信者が共同で生活しているということです。

施設にいた信者の1人は「この施設は宗教活動を行う場所ではなく、信者が生活する住居だ。今回の死刑執行を受け、改めて被害者や遺族の方に深くおわび申し上げたい」などと話していました。