南シナ海めぐる仲裁裁判の判断から2年 比でシンポジウム

南シナ海めぐる仲裁裁判の判断から2年 比でシンポジウム
南シナ海をめぐり、ほぼ全域の管轄権を持つという中国の主張が全面的に否定された国際的な仲裁裁判の判断が示されてから、12日で2年になるのにあわせて、フィリピンで政府関係者などが参加するシンポジウムが開かれました。
このシンポジウムは、フィリピンの申し立てによって始まった南シナ海をめぐる国際的な仲裁裁判の判断が示されてから、12日で2年になるのにあわせて、首都マニラで開かれたもので、政府関係者や国際法の専門家が参加しました。

はじめに、仲裁裁判を申し立てたアキノ前政権で外相を務めたアルバート・デル・ロサリオ氏が講演し、仲裁裁判の判断を受け入れず、拠点構築の動きを強める中国について、「判断によって南シナ海が両国の協力の場になると思っていたわれわれの期待を中国は無視し、今も小さな国々を力で脅している」と非難しました。

その一方で「フィリピン政府は、仲裁裁判の判断を持ち出さないことで、中国がわれわれのものを奪い続けることを許している」と述べて、南シナ海の問題を事実上棚上げし、経済面で中国との関係強化を進めるドゥテルテ政権に苦言を呈しました。

参加者からは「各国による『航行の自由』作戦を続けることで、中国の海になることを防げる」といった意見が出ていました。

南シナ海をめぐっては、中国とASEAN=東南アジア諸国連合の間で紛争を防ぐためのルールとなる「行動規範」の策定が進められていますが、法的な拘束力も含め、どこまで実効性のある内容になるかは不透明な状況です。

「中国フィリピン省」の横断幕

フィリピンの首都マニラでは、高架橋など複数の場所に、中国の国旗とともに「中国の省、フィリピンへようこそ」と書かれた横断幕が掲げられているのが見つかりました。

横断幕を誰が掲げたのかはわかっていませんが、地元メディアはドゥテルテ大統領がことし2月、華僑系の企業関係者との会合で「中国のフィリピン省にしてもらってもかまわない」と発言したことから、仲裁裁判の判断を事実上棚上げし、中国との関係強化を進めるドゥテルテ大統領を批判する何者かの仕業ではないかと伝えています。

この横断幕について、大統領の報道官が記者会見で、「われわれがみずからの領土領海を他国に与えるわけがない。悪質なデマだ」と公式に反応するなど、騒ぎとなりました。