ヨーロッパ中央銀行 年内に量的緩和終了へ

ヨーロッパ中央銀行 年内に量的緩和終了へ
k10011478451_201806150106_201806150125.mp4
ヨーロッパ中央銀行は単一通貨ユーロの金融政策を決める会合を開き、ユーロ圏の経済は成長が続いていることなどから、景気を押し上げるため3年前から続けている量的緩和を、年内で終了する方針を決めました。
ヨーロッパ中央銀行は14日、単一通貨ユーロの金融政策を決める理事会をラトビアの首都リガで開きました。

ヨーロッパ中央銀行は、景気を押し上げるため、各国の国債などを買い入れて市場に大量の資金を供給する量的緩和を2015年3月から続けてきましたが、ユーロ圏の経済が成長を続けていることなどから、年内で終了する方針を決めました。

買い入れの規模は段階的に縮小し、今のひと月当たり300億ユーロを、ことし10月以降は150億ユーロに減らし、経済の状況に変化がなければ来年1月からはゼロにします。

ヨーロッパ中央銀行は、すでにことし1月、国債の買い入れ規模を半分に減らしていて、今回の決定で金融緩和の縮小が一段と進むことになります。

一方、今は0%としている主要な政策金利などは、少なくとも来年の夏まで据え置く方針を決めていて、今後はいつ利上げに踏み切るかが焦点です。

ヨーロッパでは、ユーロ圏で第3の経済規模のイタリアで、今月、EU=ヨーロッパ連合に懐疑的な立場の政権が発足したほか、EUはアメリカと貿易をめぐって対立していて、ヨーロッパ中央銀行は、こうした状況を見極めながら慎重に金融政策を進めていくと見られます。

欧州ではユーロ安 株価値上がり

ヨーロッパ中央銀行が少なくとも来年夏まで主要な政策金利の水準を維持すると決めたことで、ロンドン外国為替市場では利上げが遠のいたという受け止めが広がり、ユーロ安が進んでいます。ユーロは円に対して、発表前に比べて一時、およそ1円値下がりしました。

一方、ヨーロッパの主な株式市場は利上げが遠のいたことを好感し、株価は上昇しています。

主な株価指数は、前日の終値に比べて、日本時間の午後9時15分の時点で、パリ市場はおよそ0.7%、ドイツのフランクフルト市場はおよそ0.4%、ロンドン市場はおよそ0.1%、それぞれ値上がりしています。

市場関係者は「市場では早い時期の利上げを予想する投資家が多かったが、今回の発表で利上げは想定よりもかなり遅くなるという受け止めが広がり、株価は値上がりし、ユーロ安が進んでいる」と話しています。

これまでの金融政策は

ヨーロッパ中央銀行は、2008年のリーマンショック以降、金融市場が混乱し、景気の低迷が続いたことから、異例とも言える金融緩和を続けてきました。

その柱となったのが、大胆に金利を引き下げ、金融機関に企業などへの貸し出しを促すことです。金融機関から資金を預かる際の金利は、2014年6月、主要な中央銀行として初めてマイナスにする措置に踏み切りました。

また、主要な政策金利を段階的に引き下げ、2016年3月からは0%として、ゼロ金利政策を続けています。

金利の引き下げと並行して、ユーロ圏がデフレに陥るのを防ごうと、2015年3月に始めたのが各国の国債などを買い入れ、市場に出回るお金の量を増やす「量的緩和」です。

その規模は去年12月までは1か月当たり600億ユーロ(およそ8兆円)でしたが、ユーロ圏の経済成長が続いたことから、ヨーロッパ中央銀行はことし1月に半分の300億ユーロに買い入れ規模を縮小し、この水準をことし9月まで維持することが決まっていました。

ドラギ総裁「利上げ時期は議論していない」

ヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁は記者会見で、量的緩和を終了する方針について「注意深く分析した結果、物価の持続的な上昇に向け、相当な進展があったと結論づけた」と説明しました。

一方で、来年の夏まで据え置くとした金利をいつ引き上げるかについては「利上げの時期は議論していない」と述べるにとどまりました。