北朝鮮 南北閣僚級会談の中止を表明

北朝鮮 南北閣僚級会談の中止を表明
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北朝鮮は、韓国とアメリカが行っている空軍などによる定例の共同訓練を非難して、16日に予定されていた韓国との閣僚級会談を中止すると表明し、来月の米朝首脳会談の中止の可能性もちらつかせてトランプ政権をけん制しました。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は16日未明、韓国軍とアメリカ軍が今月11日から2週間の日程で行っている、戦闘機などおよそ100機が参加する定例の共同訓練「マックス・サンダー」を非難しました。

この中で、先月の南北首脳会談での共同宣言に触れ、「宣言に対する露骨な挑戦で、良い方向へと発展する朝鮮半島情勢の流れに逆行する意図的な軍事的挑発だ」と強く反発しています。

そのうえで、16日に予定されていた、共同宣言の履行について話し合う南北の閣僚級会談について「険悪な情勢下では中止の措置をとらなければならなくなった」として中止を表明し、「南北関係に難関と障害が作られたことは、全面的に南側に責任がある」と主張しました。

さらに、アメリカに対しても「日程に上がっている米朝首脳会談の運命について熟考すべきだ」として、来月の史上初となる米朝首脳会談を中止する可能性もちらつかせ、トランプ政権をけん制しました。

そして、「アメリカと南の当局の今後の態度を鋭意注視する」と強調しています。

米国務省「米朝首脳会談の準備進める」

アメリカ国務省のナウアート報道官は15日の記者会見で、北朝鮮が韓国軍とアメリカ軍の空軍などによる定例の共同訓練を非難していることについて「訓練は挑発的なものではない。キム委員長は、アメリカと韓国が共同訓練を続ける必要性を理解すると言っている。訓練は正当なものだ」と反論しました。

そのうえで、ナウアート報道官は「北朝鮮側から公式、または非公式のいかなる連絡もない。われわれは来月の米朝首脳会談の準備を進める」と述べ、北朝鮮との首脳会談の準備を進める考えに変わりはないと説明しました。

米国防総省「防衛的な性質のもの」

アメリカ国防総省のマニング報道部長は15日、声明で、現在、実施中の韓国軍との共同訓練について「目的は韓国を守るための同盟の能力を強化することにあり、防衛的な性質のものであることは何十年にもわたって明確に示され、今も変わっていない」として、あくまで防衛目的の定期的な訓練だと強調しました。

米韓の共同訓練

韓国軍とアメリカ軍の空軍などによる定例の共同訓練は「マックス・サンダー」と呼ばれています。

ことしは今月11日から2週間の日程で行われていて、米韓両軍の戦闘機などおよそ100機が参加しています。

韓国軍によりますと、訓練は、アメリカ軍のステルス戦闘機F22や韓国軍のF15戦闘機などが空中戦などを想定して行われるということです。

訓練は例年、2月から3月に始まる米韓合同軍事演習に合わせて実施されていましたが、ことしは時期をずらしていて、先月開かれた南北首脳会談や史上初の米朝首脳会談に配慮し日程が調整されたという指摘も出ていました。

きょうの開催は北朝鮮が提案

先月の南北首脳会談で合意した共同宣言の履行について話し合うための南北閣僚級会談をめぐっては、当初、今月8日に、韓国側から北朝鮮側に対し、今月14日の開催を提案していましたが、回答はありませんでした。

そして、15日になって、北朝鮮側から南北の軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)の連絡チャンネルを通じて、16日の開催の提案があり、韓国側が同意していました。

南北の当局者が公式に接触するのは、さきの首脳会談のあと初めてで、ことし1月と3月に続いて、韓国側からチョ・ミョンギュン(趙明均)統一相が、北朝鮮側から韓国との窓口機関である祖国平和統一委員会のリ・ソングォン委員長が、それぞれ首席代表として出席する予定でした。

また、北朝鮮側は鉄道省や体育省の次官も参加する予定で、共同宣言に基づき、南北間を鉄道で連結し活用することや、ことし8月にインドネシアで行われるアジア大会での南北合同の入場行進やチームの結成についても協議すると見られていました。

韓国 会談取りやめを決定

北朝鮮が南北閣僚級会談を中止すると表明したことを受けて、韓国政府も会談の取りやめを正式に決めました。今後、協議したうえで、韓国政府の立場を発表するとしています。

韓国統一省によりますと、北朝鮮側からの会談中止の連絡は16日午前0時半ごろ寄せられたということです。

会談で北朝鮮側の首席代表を務める予定だった、韓国との窓口機関である祖国平和統一委員会のリ・ソングォン委員長の名前で韓国軍とアメリカ軍の共同訓練を非難しているということです。