「災害関連死」半数近くが避難所生活や車中泊を経験

「災害関連死」半数近くが避難所生活や車中泊を経験
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2年前の熊本地震で「災害関連死」と認定された人のうち、半数近くにあたる95人が避難所での生活や車中泊を経験していたことがNHKの調査でわかりました。専門家は、避難所の環境の悪さが多くの人の災害関連死につながったと分析しています。
一連の熊本地震のうち、2度目の震度7を観測した地震が起きてから16日で2年となりました。熊本県や大分県などによりますと、一連の熊本地震で「災害関連死」と認定された人は211人で、建物の倒壊など地震の直接の影響で亡くなった50人の4倍以上に達しました。

この211人が死亡した詳しい状況について、NHKが「災害関連死」の認定を行った熊本県と大分県の20の市町村に聞き取り調査を行った結果、避難所の生活や車中泊を経験した人が少なくとも95人と、全体の45%に上ることがわかりました。

中には、長時間同じ姿勢でいるなどして足の血液の流れが悪くなる「エコノミークラス症候群」を発症して亡くなった人や、十分に睡眠が取れなかったり食欲がなくなったりして体調を崩して亡くなった人もいたということです。

今回の結果について「災害関連死」に詳しい新潟大学の榛沢和彦医師は、避難所の環境が悪いことや、そうした避難所での生活を避けて車中泊を選んだことで、多くの人の「災害関連死」につながったと分析しています。

榛沢医師は「これまでは環境の悪い避難所で被災者が我慢するのが日本の美徳のように考えられてきたが、今後は、体調を崩さないためにどうするかという視点を大事にして避難所を作るべきだ」と話していました。

遺族「避難所はひどい環境」

熊本県益城町の90代の男性は、町内の避難所で避難生活を始めてから4日後に高熱を出して病院に搬送され、入院しました。その後、肺炎を繰り返し、おととし8月に亡くなり、「災害関連死」に認定されました。

男性の息子によりますと、男性は地震の前は、体調はよく元気に生活していたということです。避難所の状況について、息子は、「建物の入り口や通路にまで避難者があふれていて、みんな床に雑魚寝するしかなかった。スペースが狭く、寝返りを打つのも難しい状況で父はなかなか寝られない様子だった」と話していました。

また、避難所に設置された仮設トイレの数は、避難者の数に比べてかなり少なくいつも行列ができていたうえ、汚れていたということで、「父はトイレに行くのがいやで、『飲まず食わず』になっていった。避難所は地獄のような本当にひどい環境だった」と話していました。