「孤独のグルメ」 谷口ジローさん 未完2作 8日発売へ

「孤独のグルメ」 谷口ジローさん 未完2作 8日発売へ
「孤独のグルメ」などの作品で知られる漫画家で、ことし2月に亡くなった谷口ジローさんが、闘病中も描き続け最後の作品となった未完成の2作が、8日、同時に発売されることになりました。
谷口ジローさんは「『坊っちゃん』の時代」や「孤独のグルメ」などの作画を手がけた漫画家で、緻密な表現技法は海外でも高く評価されていますが、ことし2月、69歳で亡くなりました。

最後の作品となったのは、谷口さんが闘病中も描き続けていた「光年の森」と「いざなうもの その壱 花火」という2つの作品で、いずれも未完成のまま本にまとめられました。

このうち「光年の森」は、森の声が聞こえるという特殊な力のある少年が、都会から移り住んだ山村で不思議な体験をしていく物語で、制作途中だった第2話も、そのまま掲載されます。

また、「いざなうもの その壱 花火」は内田百※けんの短編を原作にした幻想的な作品で、亡くなったあとに見つかったスケッチなどとともに、「いざなうもの」という作品集に収録されます。

編集を担当した小学館の今本統人さんは「日本では海外と比べると作品を知っている人がまだまだ少ないと思うので、今回の作品をきっかけに過去のものも含めて読んでもらいたい。ストーリーだけではなく、絵の隅々まで楽しんでもらえたら」と話していました。「光年の森」と「いざなうもの」は、8日、2冊同時に発売されます。

※「けん」は門がまえに「月」
         

谷口さん直筆メモ「何度も読まれる漫画描きたい」

今回発売される「いざなうもの」には、谷口さんが亡くなる4か月ほど前の去年10月ごろに手帳に記していたという直筆のメモが掲載されます。

メモには「たった一人でもいい、何度も、何度でも本がボロボロになるまで読まれるマンガを描きたい。あきることなく何度も開いて絵を見てくれるマンガを描きたい。それが私のたった一つの小さな望み。そんなマンガが私に描けたかどうか疑問はあるが、今、頭の中で妄想している物語その世界と絵はなんとなく見えているのだがこれを一つの形にするのは難しく骨の折れる作業となる。それでも苦痛を乗り越えた楽しさがあるのも間違いのないことだ」と漫画を描くことへの強い思いが記されています。

小学館の今本統人さんは「闘病中、手帳にメモを書いているのを拝見していたので、人柄も伝わるようにと今回の本に掲載しました。メモを発見したときは、やっぱり熱い気持ちを持って作品を作っていたんだと感じ、ぐっときました。この言葉は、常に新しい表現に挑戦していた谷口先生の決意表明のようなものだと考えています」と話していました。