保育園の屋根に落下物 米軍ヘリのカバー外れたか 沖縄

保育園の屋根に落下物 米軍ヘリのカバー外れたか 沖縄
k10011250151_201712071845_201712071848.mp4
7日午前、アメリカ軍普天間基地の近くにある沖縄県宜野湾市の保育園の屋根でアメリカ軍機からのものと見られる落下物が見つかりました。警察がアメリカ軍に問い合わせたところ、「ヘリコプターにつけていたカバーが外れたと見られる」と回答があったということです。
7日午前10時20分ごろ、沖縄県宜野湾市野嵩の「緑ヶ丘保育園」で、屋根に物が落ちる大きな音がして、保育士が屋根に筒状の物が落ちているのを見つけ、警察や市に通報しました。
保育園によりますと、当時園内には、園児61人と保育士およそ10人が建物内や園庭にいたということですが、けが人はいないということです。

警察によりますと筒状の物は、長さおよそ9.5センチ、直径およそ7.5センチ、重さ200グラムあまりのプラスチック製と見られ、「飛行する前に外すこと」という意味の英語や「US」などと書かれています。

防衛省関係者によりますと、当時付近を普天間基地配備の「CH53」ヘリコプターが飛行していたということで、警察がアメリカ軍に照会したところ、「ヘリコプターにつけていたカバーが外れたと見られる」と回答があったということです。

保育園は、普天間基地からおよそ300メートルの住宅街の一角で、滑走路の延長線上にあることから、軍用機が頻繁に上空を通過しているということです。

緑ヶ丘保育園の神谷武宏園長は「当時、建物の中にいた子どもたちは音がして驚いていました。今回、たまたまけが人はいませんでしたが、基地があるかぎり、人命軽視だと思います」と話していました。

宜野湾市長「非常に怒り感じる」

沖縄防衛局の中嶋局長は宜野湾市役所を訪れて佐喜真市長と面会しました。この中で中嶋局長は「先ほどアメリカ軍にも行ってきたが、調査中でどういうものか確定には至っていない。保育園に落下した事案なので、取り急ぎ調査して改めてご報告申し上げたい」と述べました。

これに対し佐喜真市長は「調査中ということだが、現状を見たかぎりは当然アメリカ軍のものだと断言できるのではないか。命が脅かされている状態で、非常に怒りを感じる。何年これを我慢しなければならないのか」と強く抗議しました。

保育士 「体が震えるほど怖い」

この保育園で勤務し、6歳の娘を通わせている保育士の女性は「自分の子どももいつもと違う表情で少しおびえている様子でした。外に出ている子どもたちにあたっていたらと考えるだけで体が震えるほど怖いです。けががなかったことが不幸中の幸いです」と話していました。また、この保育園で50年以上勤務している主任保育士は、NHKの取材に対し、「園児たちの命を預かっているので今回のようなことは怖いです」と話していました。

翁長知事「深刻な事故」

沖縄県の翁長知事は午後6時半ごろ県庁で記者団に対し、「職員が撮影した写真をもとに基地対策課で情報収集をしたところ、CH53ヘリコプターの部品の可能性が高いことがわかった。一歩間違えれば重大な人身事故につながりかねず、深刻な事故であると認識している。沖縄防衛局やアメリカ軍に対しては速やかな事実確認を行うよう求めるとともに、仮にアメリカ軍の部品であることが判明した場合、強く抗議する必要があると考えている」と述べました。

保育園長が詰め寄る場面も

沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は7日夕方、保育園を訪れました。
神谷武宏園長は、中嶋局長を屋根が見える保育園2階のベランダに案内し「一歩間違っていたら園児が死んでいた。移転先が県内なら県全体でみれば一緒であり、基地がある限り、事件・事故は無くならない。私たちの命を軽視して飛ばす理由があるのか、もう飛ばすのをやめてほしい」と厳しく詰め寄っていました。

2人がやり取りをしている間にも、上空をアメリカ軍のヘリコプターが飛び交っていて、中嶋局長は「飛ばさないようにするのは難しいが、調査をしたうえでまた対応させていただきたい」と答えていました。

米軍「深刻に受け止めている」

沖縄に駐留するアメリカ海兵隊は、NHKの取材に対して「落下物についての報告は認識している。われわれはこの報告をとても深刻に受け止め、調査している」とコメントしました。

基地周辺に多数の公共施設

アメリカ軍普天間基地は人口およそ10万人を抱える宜野湾市の市街地のほぼ中央にあり、市の面積の4分の1を占めています。

市によりますと市内には平成16年にアメリカ海兵隊のヘリコプターが墜落した沖縄国際大学のほか、普天間第二小学校などの学校や医療機関などおよそ120の公共施設があり、その多くが基地を取り囲むように存在しています。

また市によりますと、昭和47年の沖縄の本土復帰からことし2月末までに、普天間基地に所属する軍用機の墜落などの事故や部品落下などのトラブルは、合わせて123回起きていて、平均で年間およそ2.7回に上るということです。

米軍司令部前で抗議集会

沖縄に駐留するアメリカ軍の司令部がおかれている北中城村のキャンプ瑞慶覧の前では、7日午後6時に、市民団体のメンバーなどおよそ100人が緊急の抗議集会を開きました。

集会では参加者が「普天間基地を返還しろ」とか「米軍ヘリを飛ばすな」などと声を上げたあと、普天間基地爆音訴訟原告団の島田善次団長が「あれほどいろんな事故が起きても『綱紀粛正』という言葉だけの政府やアメリカ軍はもはや信用できない。怒り心頭どころか、限界はもう超えている。われわれには静かに生きていく権利があるので、これから行動していこう」と訴えました。

参加した沖縄市の71歳の女性は「許せないです。落ちたところが保育所と聞いて、胸が張り裂ける思いだ。もう全部の基地を撤去するしかないと思う」と話していました。