きょうは県民の日、なんです

きょうは県民の日、なんです
きょう、11月14日。インターネット上で話題になったワードの1つが「埼玉県民の日」。こうした「県民の日」。調べてみると全国各地で制定されていましたが、地域によってその盛り上がりには温度差があることがわかりました。
(ネットワーク報道部記者 藤目琴実 牧本真由美 後藤岳彦)
11月14日。ソーシャルメディア上で存在感を放った「埼玉県民の日」。公立の小中学校や高校が休みになるとあって「埼玉県民の日で学校休みです」「子どもが朝早くから電車乗ってると思ったら、埼玉県民の日なのね」とか「懐かしいです、昔埼玉県民だったので、乗り放題切符を使って出かけました」といった書き込みが相次ぎました。

毎年およそ1万人が集まる「県庁オープンデー」では知事の執務室などふだんは立ち入ることができない内部が公開されたほかご当地グルメのブースが設けられことしも多くの人でにぎわっていました。

日本一お得?「埼玉県民の日」

11月14日。ソーシャルメディア上で存在感を放った「埼玉県民の日」。公立の小中学校や高校が休みになるとあって「埼玉県民の日で学校休みです」「子どもが朝早くから電車乗ってると思ったら、埼玉県民の日なのね」とか「懐かしいです、昔埼玉県民だったので、乗り放題切符を使って出かけました」といった書き込みが相次ぎました。

毎年およそ1万人が集まる「県庁オープンデー」では知事の執務室などふだんは立ち入ることができない内部が公開されたほかご当地グルメのブースが設けられことしも多くの人でにぎわっていました。

カギは“お得感”

「埼玉県民の日」が広く知られ、県民からの熱い支持を集めているのにはある理由がありました。それは”お得感”です。

埼玉県では公共施設だけでなく民間の動物園や遊園地などのレジャー施設が入園無料になるほか鉄道各社が1日乗り放題のフリーパスを販売するなど外出するとメリットを受けられる仕掛けがいくつもあるのです。
官民一体となってこうしたレジャーを楽しみやすくする環境づくりをしたことが「県民の日」の盛り上がりにつながっているようです。

埼玉県としては「県民の日」の経済効果について試算はしていないということですが、埼玉で育ち、埼玉で子育てをしているという県庁の女性職員は「県内各地でお得なイベントがあるので、『県民の日は家でゆっくり過ごすよりどこかにでかけよう!』という意識が県民全体に浸透していると感じます。人の移動が活発になれば経済効果は高いと考えています」と話していました。

地域活性化に貢献

また、去年3月まで埼玉県民で、毎年、子どもと一緒に遊びに出かけていたという第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣さん。ご自身の経験とともに、分析してもらいました。

「自治体と企業がタッグを組んでさまざまなことを仕掛けて盛り上げていることが地域の活性化につながっていると思う。保護者が子どもの休みに合わせて有給休暇を取るケースもある。勤労者の余暇時間が1日分増えると、家計の消費を約0.1%アップするという試算もあり、ワークライフバランスの時代にさらに高い効果を上げられる」

そもそも「県民の日」って?

「都民の日」の催し
「県民の日」は、それぞれの県などが制定する記念日で、東京都にも「都民の日」があります。

ほかにも、茨城県や千葉県など首都圏を中心に広がっています。それぞれの自治体が条例や規約などで定めていて、制定した時期も、その日付もバラバラ。学校が休みかどうかなど、どんな日にするかもそれぞれの基準で決まっています。

一方、西日本ではそもそも「県民の日」がないところも多いようです。

「大分県民の日」だけれど

その西日本で「県民の日」がある、大分県。調べてみると埼玉県と同じ11月14日は「大分県民の日」でもありました。

さぞ、盛り上がりを見せていると思い、早速、大分県庁に電話。

しかし、窓口では担当課がどこか分からず、いくつかの課を経てようやく担当者に。

そこで、「きょう、11月14日の『大分県民の日』について伺いたいのですが」と尋ねると「それは初耳です」と驚いた様子。
「県民の日」は、県庁の職員の間ではあまり知られていませんでした。

「大分県民の日」は、条例や規約で定められたものではなく、県や市民団体などでつくる協議会が総会で定めたものなのですが、その団体はすでに解散してしまったというのです。
「大分県民の日」の催し
県の資料をひもとくと、昭和51年から平成12年までは、「大分県民の日」に合わせて、「ふるさと祭り」が開かれていたという記録がありました。和太鼓の演奏などもあり、1万人が来場した時期もあったそうです。しかしその後、協議会が消えゆくとともに、ひっそりと息を潜め、県の職員にも知られない日となってしまいました。
インターネット上でも「きょうは大分県民の日なのか。大分県民なのに知らなかった…」「25年、大分で生きてきたけど聞いたことないんだけど」などの書き込みがー。

この間、いったい何があったのか分かりませんでしたが、今では「大分県民の日」は県民の間でも特に意識されない普通の1日となっているようです。

初「北海道みんなの日」

松浦武四郎像
各地で県民の日が話題となる中、北海道ではことしになってようやく毎年7月17日を「北海道みんなの日(道みんの日)」としました。

「道みんの日」は探検家の松浦武四郎が明治2年7月17日に「北加伊道」の名称を明治政府に提案したことにちなんで、道の記念日とすることを道議会で決めました。初めての「道みんの日」となったことし7月17日。

北海道では埼玉県などのように学校は休校にはなっていませんが道や市町村が運営する美術館や博物館の常設展示など45の施設の入場料などを無料にしました。

また、7月に札幌ドームで行われたプロ野球の2試合にはそれぞれ700組あまりを招待するなど民間と連携した取り組みも進め、盛り上がりを見せたと言うことです。
その一方で道議会で行われた式典には一般の参加者は1人だけだったということです。北海道ではいまだに「道みんの日」が制定されたことを知らない人もいて、この日が定着するにはまだ時間がかかるようです。

北海道庁の担当者は「条例が制定されてから『北海道みんなの日』まで準備期間が短かった」と話していて、来年以降、道民に向けてどう周知を図っていくのかが課題だとしています。

働き方改革の推進にも

働き方改革や休日などの制度に詳しい東レ経営研究所の宮原淳二ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長は「一日の休日で行ける場所は限られるので地域の文化に触れるなど、地域のよさを再発見する機会にもなる」としたうえで、「こうした休日が働き方改革の推進などにつながることを自治体や商工会議所など地域全体で周知していくことが大切だ」と指摘しています。
ネット上では「うちの県でも県民の日をつくってほしい」とうらやむ声も。

「県民の日」は地域によって盛り上がりの温度差はあるものの、うまく活用できれば、地域経済の活性化とともに住民のワークライフバランスの充実にもつながる、大きな可能性を秘めた1日かもしれません。