老人ホーム殺人 「目離したら溺れた」と当初説明

老人ホーム殺人 「目離したら溺れた」と当初説明
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東京・中野区の有料老人ホームで、入居者の83歳の男性を浴槽で溺れさせて殺害したとして、25歳の元職員が逮捕された事件で、元職員は当初、「ナースコールの対応で20分ほど目を離したら溺れていた」と説明していたことが警視庁への取材でわかりました。警視庁は、事件の発覚を免れるために、事故に見せかけようとしたと見て調べています。
東京・中野区の有料老人ホーム、「ニチイホーム鷺ノ宮」の元職員の皆川久容疑者(25)は、施設で介護士として働いていたことし8月、入居者の藤澤皖さん(83)を浴槽に投げ入れて湯をはり、顔をつからせて溺れさせ、殺害したとして、殺人の疑いで警視庁に逮捕されました。

警視庁によりますと、調べに対し、容疑を認め、「何度も布団などを汚したので、『いい加減にしろ』と思ってやった」と供述しているということです。

これまでの調べによりますと、事件が起きたのは明け方で、施設にいた宿直のスタッフは、皆川容疑者ともう1人の男性職員の2人だけだったということですが、皆川容疑者は当初、「男性を入浴させていたところ、ナースコールが鳴ったのでその対応で20分ほど目を離したら溺れていた」などと説明していたことが警視庁への取材でわかりました。

実際はナースコールが押された形跡が無かったことや、浴槽の中には滑り止めマットが敷かれていて、目を離した隙に溺れたという状況が考えにくかったことなどから、故意に溺れさせた疑いがあったということです。

警視庁は、事件の発覚を免れるために事故に見せかけようとしたと見て調べています。

現場の有料老人ホーム

「ニチイホーム鷺ノ宮」のパンフレットによりますと、この施設は地下1階、地上3階建てで入居者が生活する個室が70部屋あります。警視庁によりますと、亡くなった藤澤皖さんは3階に入居していたということです。

現場の浴室は1階にあり、パンフレットに掲載された同じタイプの浴室の写真によりますと、入居者が個別に入浴するための浴槽があり、手すりやナースコールも設置されています。

亡くなった藤澤さん 元同僚「包容力ある人」

亡くなった藤澤皖さんは、平成3年から7年間、大阪・箕面市にある現在の関西学院千里国際中等部・高等部で校長を務めました。

藤澤さんと長年、親交があった田中守教頭は、「学校を創設した20年以上前から一緒に仕事をさせてもらったが、部下の意見を受け止めてくれる包容力のある人だった。藤澤さんのアイデアはいつも新鮮で、学ぶことが多かった。数年前に家族から『年賀状の返事が出せなくなった』と聞き、高齢なのでゆっくり過ごしてくれたらと思っていたところだったので、本当にショックだ」と話していました。

施設入居者の家族「これからも母が生活 不安」

87歳の母親がこの施設におととしから入居しているという50代の女性は、「新しい施設で評判もよいので、入居を決めた。ニュースで事件のことを知ったが、施設側から何の連絡もないので自分から来た。入所者が亡くなっていたことも知らず、事件だと聞いて驚いている。母がこれからも現場となった場所で生活すると思うと不安が募る」と話していました。

施設運営会社「深くおわび」

事件があった、東京・中野区の有料老人ホームを運営する「ニチイケアパレス」の秋山幸男社長は、会社のホームページで、「ご逝去されたご入居者様、ご遺族様には誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます。二度とこのような事態を発生させないよう、これまで以上に社員教育の徹底、安全管理体制の強化などを図っていきます」というコメントを発表しました。