南北の軍事境界線から北朝鮮の兵士が亡命

南北の軍事境界線から北朝鮮の兵士が亡命
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13日午後、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線にあるパンムンジョムで、北朝鮮の兵士1人が韓国側に亡命し、その際に北朝鮮側から銃撃を受けて負傷して韓国側の病院に搬送されました。南北軍事境界線でも特に警備が厳重なパンムンジョムでの亡命は極めて異例です。
韓国軍の合同参謀本部は、13日、南北の軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)で、午後3時半すぎに北朝鮮の男性兵士1人が韓国側に亡命したと発表しました。

兵士はパンムンジョムにある北朝鮮側の施設、「パンムンガク(板門閣)」の付近にある歩哨所から、軍事境界線を越えて韓国側に入り、その際に北朝鮮側から肩と肘などを銃撃されて負傷し、ヘリコプターで韓国側の病院に搬送されたということです。

韓国軍の関係者によりますと、午後3時半前、北朝鮮側から銃声が数発聞こえ、警戒を強化していたところ、数分後に軍事境界線の南側およそ50メートルのところで北朝鮮の兵士が倒れているのを発見しました。

韓国軍の兵士数人がほふく前進で近づき、抱きかかえて安全な場所まで運んだということです。

双方の間で銃撃戦はなかったということですが、韓国軍は北朝鮮に対する警戒態勢を強化したとしています。

パンムンジョムは、南北軍事境界線にあり、韓国軍とアメリカ軍による国連軍と北朝鮮が共同管理していて、かつては南北の会談が開かれることもあったほか、ソウルとピョンヤンのそれぞれから観光で訪れることもできます。

朝鮮半島を横断する南北軍事境界線はパンムンジョム以外のほとんどは山の中にあり、北朝鮮の兵士が地雷原を越えて韓国に亡命するケースはありますが、特に警備が厳重なパンムンジョムでの亡命は極めて異例です。

パンムンジョムからの亡命

韓国軍によりますと、パンムンジョムでは1998年2月と2007年9月にそれぞれ北朝鮮軍の兵士1人が韓国側に亡命したことがあり、今回が3回目だということです。

パンムンジョムは、南北双方が厳重な警備を敷いており、韓国メディアは、北朝鮮側では軍の中でも家族を含めた厳しい選抜を経て政治思想や忠誠心が特に強い兵士が配置されていることから、パンムンジョムでの亡命は極めて異例だと伝えています。

共同警備区域とは

パンムンジョムは南北の軍事境界線にあり、韓国軍とアメリカ軍からなる国連軍と北朝鮮軍が厳重な警備を行っています。

JSAと呼ばれる共同警備区域の北朝鮮側に「パンムンガク」という施設が、韓国側に「自由の家」という施設が向き合うように建っています。

この2つの建物の中間付近を軍事境界線が横切っており、ブロックなどで明示されています。

この軍事境界線をまたぐ形で7棟の建物があり、南北が共同で管理する「軍事停戦委員会」の会議場や南北それぞれの施設として使われています。

パンムンジョムは南北の接点の場でもあり、かつては政府や軍どうしの協議の際に「自由の家」と「パンムンガク」のそれぞれが使われたほか、双方の施設には南北を結ぶ直通回線もあります。

しかし、南北関係の悪化に伴ってここ数年、パンムンジョムが注目を受けることは少なくなっていました。