イラン西部 M7.3の地震 135人死亡 約1400人けが

イラン西部 M7.3の地震 135人死亡 約1400人けが
k10011221691_201711131301_201711131302.mp4
イランとイラクの国境に近い山あいの場所で日本時間の13日未明、マグニチュード7.3の地震があり、これまでに135人が死亡、およそ1400人がけがをしました。現地では多くの建物が倒壊する被害が出ていて、死傷者の数はさらに増えるおそれがあります。
USGS=アメリカの地質調査所によりますと、現地時間の12日午後9時20分ごろ、日本時間の13日午前3時20分ごろ、イラクとの国境に近いイラン西部でマグニチュード7.3の地震がありました。

イランの国営放送は、この地震で129人が死亡したと伝えているほか、イラクのメディアも6人が死亡したと伝えていて、死者は、これまでに135人に上っています。
また、けが人は、イランで900人以上、イラクでおよそ500人に上っているということです。

地震の揺れは、震源地から200キロ以上離れたイラクの首都バグダッドでも観測されたほか、トルコやクウェートなどの周辺国でも観測されたということです。

外務省によりますと、これまでのところ、この地震で日本人が被害を受けたという情報はないということです。地震が起きたのは、イラクとの国境付近にあるイラン西部の山あいの場所で、小規模な集落が点在し、このうちイラク側で撮影された映像では多くの建物が倒壊する被害が出ています。

イラン側の震源に近い地域では、土砂崩れが起きて道路が寸断されるなど、救助活動が難航しているということで、死傷者の数はさらに増えるおそれがあります。

震源地付近は地震多発地帯

今回地震が起きたイラン西部やイラク北東部、それに隣国のトルコは、「ユーラシアプレート」と呼ばれる大陸の岩盤に南からアラビア半島がのった「アラビアプレート」の岩盤がぶつかっている影響で、ほぼ南北から押し合う力がかかっているために地震活動が活発な地域で、過去にも繰り返し地震の大きな被害が出ています。

このうち、1990年6月には、イラン北西部のカスピ海沿岸でマグニチュード7.4の大地震が発生し、およそ3万5000人が死亡しました。

2011年10月には、トルコ東部でマグニチュード7.1の大地震が起きて600人以上が死亡し、翌11月に起きた余震でも犠牲者が出ました。

さらに、2012年8月にはイラン北西部でマグニチュードが6を超える地震が2回続けて発生し300人以上が死亡したほか、3年前の2014年8月にイラン西部で起きたマグニチュード6.2の地震でも、多数のけが人が出ました。

また、今回の震源の地域とは離れているものの、イランの南東部でもたびたび大きな地震が起きていて、2003年12月には、南東部の都市バムを中心とする地域でマグニチュード6.6の地震があり、4万人以上が死亡しています。

専門家「2つのプレートぶつかる衝突帯で発生」

日本時間の13日未明、イランとイラクの国境に近い場所で起きたマグニチュード7.3の地震について、専門家は、2つのプレートがぶつかる「衝突帯」と呼ばれる地域で発生し、震源が比較的浅いことや山あいの地域で起きたことなどから、今後の地震活動に十分注意が必要だと指摘しています。

今回の地震について、日本の複数の専門家は、「アラビアプレート」と「ユーラシアプレート」がぶつかる『衝突帯』と呼ばれる場所で発生したと指摘しています。

このうち、中東の地震活動に詳しい東京工業大学の本蔵義守名誉教授は、「この地域では、2つのプレートが衝突することで『ザグロス山脈』などのたくさんの山が作られてきたほか、活断層も数多く見つかっていて、今回の地震はこのうち、1つの活断層がずれ動いて発生したと考えられる」と話しています。

一方、東京大学地震研究所の古村孝志教授は、「USGS=アメリカ地質調査所による震源の深さやメカニズムの解析結果などから、アラビアプレートとユーラシアプレートの境界付近で発生した可能性がある」と指摘しています。

また、古村教授によりますと、『衝突帯』は、イランとイラク、それにトルコにかけて延びていてこの周辺ではプレートの衝突に伴う力が岩盤にかかっているため、規模の大きな地震がたびたび起きているということです。

6年前の平成23年10月には今回の地震の震源から北東におよそ470キロ離れたトルコ東部で、マグニチュード7.1の大地震が発生し、600人以上が死亡したほか、14年前の平成15年12月には、今回の震源から南東におよそ1300キロ離れたイラン南東部でマグニチュード6.6の地震が発生し、「バム」という都市を中心とする地域で4万人以上が死亡しました。

今回の地震について、本蔵名誉教授は、「地震の起きた地域では日干しレンガなどを使って作られた建物が多く、地震の揺れに弱いと見られる。また、急な斜面が多い山あいで起きたため土砂崩れなども発生しやすい。活断層の地震であれば、今後も地震活動が続くおそれがあり、しばらくの間は建物の倒壊や土砂災害などに十分な注意が必要だ」と指摘しています。

専門家「耐震性低く被害拡大か」

14年前、イラン南東部の都市「バム」を中心とする地域に大きな被害を出した地震で被災地の建物などの調査にあたった工学院大学の久田嘉章教授は、「『バム』の地震では、日干しレンガで作られ、耐震性が非常に低いうえ、屋根が厚く重い建物が多かったため地震の激しい揺れで屋根が崩落し、たくさんの人が亡くなった。今回の地震の被災地も同じように耐震性が非常に低い建物が多かったのではないか」と述べました。

また、現地で撮影された映像については、「鉄筋コンクリートで作られた建物だが、比較的古いと見られる。柱そのものが崩れたり床がパンケーキ状に落ちたりする壊れ方をしているので、耐震性についてあまり考えられていないように見える」と話しています。

そのうえで、今回の地震は、現地時間の夜に発生したため多くの人が建物の中にいたと考えられるとして、「被害の全容がわかるにはまだ時間がかかり、死者・負傷者がさらに増える可能性がある。耐震性の低い建物に残っている人も多いと思うので今後も強い揺れに十分注意が必要だ。また、山岳地帯ということで地滑りなどの土砂災害にも気をつけてほしい」と話しています。