COP23 自治体レベルの対策と連携の重要性強調

COP23 自治体レベルの対策と連携の重要性強調
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ドイツで開かれている地球温暖化対策の国連の会議、COP23に合わせて、アメリカの7つの州など各国の自治体の代表者が参加する会合が開かれ、トランプ政権がパリ協定からの脱退を表明する中、自治体レベルでの対策の強化と連携が一層重要になるという声が相次ぎました。
自治体サミットと名付けられたこの会合には、世界80の国と地域の自治体の首長などおよそ1000人が参加し、アメリカからも7つの州の代表者が出席しました。

この中で、カリフォルニア州のブラウン知事が演説し、パリ協定からの脱退を表明したトランプ政権について「カリフォルニアはトランプ政権にもはや何も期待しない。アメリカの力はワシントンだけではない」と述べ、国際社会と連携して対策に取り組んでいくと強調しました。

このあと、中国や南アフリカなど各国の自治体の首長から、国家のレベルとは別に自治体レベルでの対策の強化と連携が一層重要になるという声が相次ぎました。

アメリカから参加した7つの州は、ハリケーンがもたらす高潮による浸水や大規模な山火事など異常気象による災害に見舞われ、地球温暖化に対して強い危機感を抱いています。

カリフォルニア州の担当者は「大規模な山火事など、すでに気候変動の影響を受けている。連邦政府抜きでできる対策は多くある」と話していました。

日本から広島市や富山市など参加

自治体サミットに日本から広島市や富山市など6つの自治体が参加しました。

広島市は、77人が犠牲になった3年前の土砂災害を引き起こした要因として地球温暖化が指摘されたことなどから、ことし3月、住宅の太陽光パネルや電気自動車が普及したスマートシティーの実現などを目指す新たな温暖化対策をまとめました。
また、広島市長は現在、核廃絶を目指す平和首長会議の会長を務め、ことし8月には核廃絶と地球温暖化対策は世界の平和を実現するためにともに不可欠だとする宣言をまとめています。
広島市の松井一実市長は「平和を追求することと環境問題を解決することは、理想を掲げて世界と協調して取り組まなければならない。平和首長会議としても世界に訴えていきたい」と話していました。

富山市は、高齢化対策と併せて、自動車からの排出ガスの削減を進めるため新たに整備した路面電車の沿線に商業施設や住宅を集めるコンパクトシティなどに積極的に取り組んでいます。
富山市の山添俊之未来戦略企画監は「世界の自治体がこれほど熱心に取り組んでいることに驚いた。温暖化対策は市の課題解決につながると確信した」と話していました。

カリフォルニア州知事「トランプ大統領の政策ばかげている」

パリ協定からの脱退を表明したアメリカのトランプ政権を批判し、独自の温暖化対策に取り組んでいるカリフォルニア州のブラウン知事がNHKのインタビューに応じ、「トランプ大統領のばかげた政策が逆に自治体どうしの連携を強めている」と述べ、自治体による対策の機運はむしろ高まっていると強調しました。

アメリカ・カリフォルニア州のブラウン知事は、COP23が開かれているドイツのボンで、11日、NHKのインタビューに応じました。
この中で、ブラウン知事は、トランプ大統領がパリ協定からの脱退を表明したことについて「トランプ政権の政策は言い訳ができないほどばかげている」と述べ、強く批判しました。
中でも、トランプ政権が二酸化炭素の排出量が比較的多い石炭火力発電を支援していることを挙げ、「政権の的外れぶりを象徴している。温暖化対策を否定することが、いかにばかげているかをむしろ浮き彫りした」と指摘して、自治体による温暖化対策の機運はむしろ高まっていると強調しました。

カリフォルニア州などアメリカの20の州は、トランプ政権の方針とは別に温暖化対策に独自に取り組むとしています。
中でも、カリフォルニア州は、温室効果ガスの排出量を2030年までに1990年と比べて40%削減するとした目標を掲げ、電気自動車の普及の促進や再生可能エネルギーの導入などに積極的に取り組んでいます。

シュワルツェネッガー氏「何も影響はない」

COP23に合わせて開かれた各国の自治体の会合で、映画俳優で前カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が演説し、「トランプ大統領がパリ協定からの脱退を表明しても何も影響はない。実際に対策に取り組むのは自治体だからで、これまでのように再生可能エネルギーに投資していけばいい」と述べて、温暖化対策は自治体が主導すべきだと指摘しました。
そのうえで、「大規模な山火事が起きて命の危険にさらされている人がいるのに、国の指示を待てるわけがない。自治体には責任がある。たとえ誰であっても待てというのであれば徹底して反抗すべきだ」と述べて、自治体として温暖化対策に責任を果たすべきだと強調しました。

温暖化対策に取り組むボン

COP23の会場となっているドイツのボンは、2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年に比べて40%削減するという目標を掲げています。
再生可能エネルギーと電気自動車の導入が対策の柱となっていて、市内を運行するバスに太陽光発電の電力で動く電気自動車を導入し、ボンに本社を置く世界的な物流会社は2025年までにドイツ国内の配達で使用する車の70%を電気自動車にするとした独自の目標を設けています。

ボンのスリドハラン市長は取材に対し、「都市や地方自治体は大変大きな力を持っている。だからこそ私たちが声を上げなければならない」と述べ、アメリカのトランプ政権がパリ協定からの脱退を表明する中で、自治体レベルが連携して対策を進めることの重要性を強調しました。