黄色の点滅信号は危険?

黄色の点滅信号は危険?
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交通量が少なくなる深夜から早朝にかけ道路で点滅を繰り返す黄色い信号を見かけたことありますよね。いま、この点滅信号の場所で事故が起きているとして運用方法の見直しを求める動きが起きています。
5月24日の夜遅く、福井市の県道で帰宅途中の72歳の男性が横断歩道を渡っている最中に軽ワゴン車にはねられ死亡しました。車側の信号は「速度を落とすなど、周りの交通に注意して進むことができる」を示す黄色の点滅、歩行者側の信号は消えていました。横断歩道で守られるべき歩行者がはねられたのです。

点滅信号で起きた事故

5月24日の夜遅く、福井市の県道で帰宅途中の72歳の男性が横断歩道を渡っている最中に軽ワゴン車にはねられ死亡しました。車側の信号は「速度を落とすなど、周りの交通に注意して進むことができる」を示す黄色の点滅、歩行者側の信号は消えていました。横断歩道で守られるべき歩行者がはねられたのです。

事故後住民から不安の声

事故のあと付近の住民から不安の声があがりました。
「青信号と同じようにスピードを出す車が多く道路の横断に時間のかかる高齢者はとくに危険だ」というのです。具体的にどういうことなのか、現場近くに住む老人会の会長西川征男さん(77)に現場を案内してもらいました。
現場は片側2車線の幅広い道路ですぐ近くにはショッピングセンターもありました。するとまもなく黄色の点滅を繰り返す信号の下を結構なスピードで通り過ぎる乗用車を目にしました。西川さんは「横断する人のことを全然考えず全然スピード緩めない。遠くに見える車でもスピードが速いから、高齢者になったら黄色点滅の横断は大変なんです」と説明してくれました。

増える夜間の交通量

さらに現場付近の夜間の通行量も以前と比べ増えているといいます。
午後9時を過ぎても近くのショッピングセンターでは一部の店舗が営業。ことし5月にはおよそ130メートル離れた場所に飲食店もオープンしました。西川さんは「夕方から店に入る人が多いから車も増えている。今まで以上に気をつけてもらわなきゃいけない」と厳しい表情で語りました。

押しボタン式信号をつけて

事故を受けて警察や交通安全協会などは現地を視察して再発防止策を話し合いました。
黄色に点滅する時間帯を短くすることも提案されましたが、警察は現在のまま運用を続けることを決めました。「点滅信号から130メートル離れた場所に通常の信号があるのでその利用を呼びかけたい。通行量や周辺の環境に変化がある場合にはそれに応じて運用を検討したい」というのがその理由です。

一方、西川さんたち地元の3つの老人会は、点滅する時間の短縮やボタンを押すと車側の信号が赤に変わる押しボタン式の機能をつけるよう求める要望書を警察に提出する予定です。

各地で相次ぐ運用の見直し

実は、点滅信号のある道路での事故は全国各地で報告されていて点滅信号の見直しの動きも出始めています。

秋田県では、黄色だけでなく赤も含めた点滅信号のある交差点などで過去5年間に起きた人身事故が168件、合わせて3人が亡くなっています。秋田県警察本部では、点滅信号のある交差点のうち特に危険性が高いと見られる21か所で、今年度中に点滅をやめたり点滅時間を縮小させたりする運用の見直しを行うことにしています。

大阪府警察本部では、この3年近くで実に194か所の見直しを進めました。

警察庁によりますと、平成24年度末に全国で2万6865か所あった夜間の点滅信号は平成28年度末の時点で2万6358か所になり、最近は減る傾向にあります。

見直しが進む背景について、警察庁は点滅信号のルールが一般のドライバーに浸透しきれておらず重大な事故につながるおそれがあるためではないかとしています。
信号機の運用など交通システムに詳しい日本大学理工学部の安井一彦准教授は「そもそも点滅信号というシステムは、夜間の車の通行をスムーズにするためという「車優先の時代の遺物」とも言える存在だ。点滅信号はなくなっていくべきだと思うが全国の警察でも対応に差がある」と指摘します。
日大理工学部 交通システム工学科 安井一彦准教授 

歩行者ファーストの徹底を

こうした中、新たな信号機も登場しています。
さいたま市浦和区の中学校に隣接した交差点に導入された信号機、車側からみるといつも赤信号です。交差点に車が近づいた時だけ、信号機の上に設置されたセンサー付きのカメラが車を感知して青信号に変わる仕組みです。
同じ浦和区にある押しボタン式の信号機にも工夫があります。センサー付きのカメラが設置されていて横断歩道を渡る人の存在や歩く速さを感知。お年寄りや小さな子どもが横断歩道を渡りきれないと判断すれば青信号の時間を最大で10秒間延長する仕組みです。
警察によりますとこうした信号を導入してから横断歩道での事故はなくなったということです。「歩行者ファースト」とも言える信号の配備はすでに始まっているのです。

乗用車の急激な普及に伴って交通事故の死者が毎年1万人を超え「交通戦争」とも呼ばれた時代は過ぎました。それでも去年1年間には4000人近い人が亡くなっています。高齢化もますます進む中、交通事故の犠牲者を減らすために必要なのは「歩行者ファースト」の徹底です。