“り災証明書”でどんな支援が受けられるの?

“り災証明書”でどんな支援が受けられるの?
九州豪雨の被災地では、一部の地域で「り災証明書」の申請の受付が始まりました。り災証明書は、被災者が生活再建に向けて公的支援を受ける際など、さまざまな場面で必要となります。どのような支援を受けることができるのか。生活再建に関する主な支援をまとめました。(ネットワーク報道部・戸田、宮脇、岡田記者)
り災証明書は、災害で住宅に被害を受けた人が生活再建のための支援金を受け取ったり、税金や公共料金の減免を受けたりするなど、さまざまな支援を受ける際に必要となる重要な書類です。

すべては“り災証明書”から始まる

り災証明書は、災害で住宅に被害を受けた人が生活再建のための支援金を受け取ったり、税金や公共料金の減免を受けたりするなど、さまざまな支援を受ける際に必要となる重要な書類です。
市町村にり災証明書の申請をすると、専門の担当者による被害調査が行われ、その程度に応じて「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」の4つのいずれかに区分されます。
具体的には、内閣府の「被害認定基準運用指針」によりますと、区分の基準は、損害の割合が50%以上が「全壊」、40%以上50%未満が「大規模半壊」、20%以上40%未満が「半壊」とされています。このうち水害の場合、住宅への浸水の深さの目安があり、いずれも最も浅い部分で測定して、建物が流失するか、1階の天井まで浸水している場合が「全壊」、床上1メートルまで浸水している場合が「大規模半壊」、床上浸水が「半壊」となっています。
この区分によって、受けることができる生活再建のための支援などが異なる場合があり、判定内容に不服があれば、再調査を申請することができます。また、り災証明書が発行されるまでの期間については災害の規模や被害の程度によっても異なります。

では、実際にどのような公的な支援を受けることができるのか紹介します。

住宅の支援

まずは住宅に関する支援です。住宅が「全壊」、または「大規模半壊」の場合は、県や市が建設する「応急仮設住宅」か、「みなし応急仮設住宅」と呼ばれる民間の賃貸住宅に入居することができます。ただ、熊本地震では、半壊でも仮設住宅などへの入居が可能なケースもあり、詳しくは、それぞれの自治体や県の担当窓口で相談してください。
また、住宅が半壊、大規模半壊した場合で、仮設住宅やみなし仮設を利用しない場合には、「被災住宅の応急修理制度」を利用することができます。これは居室や台所、トイレなど、日常生活に最低限必要な範囲にかぎり、住宅の修理費用の一部を自治体が支援する制度で、限度額は57万4000円となっています。

経済的支援

次は、生活再建のために受けられる経済的な支援です。

1「被災者生活再建支援金」

水害などの自然災害で大規模な被害を受けた場合、住宅や生活の再建のための支援金を受けられます。支援を受けられるのは、住宅が全壊したり、大規模半壊したりして、生活基盤に著しい被害を受けた世帯が対象です。
支援金は、住宅の被害の程度に応じた「基礎支援金」と、住宅の再建や修理の費用として支給される「加算支援金」の2種類があり、合わせて最大300万円が支給されます。

「基礎支援金」は、自宅が全壊したり住めなくなったりして解体が必要な場合には100万円、住宅が半壊し、大規模に補修しなければならない場合には50万円がそれぞれ支払われます。

また、「加算支援金」は、新たに住宅を建設したり購入したりする場合は200万円、補修する場合は100万円、公営住宅以外を借りる場合は50万円が、それぞれ加算されます。

生活再建支援金は、国の補助と都道府県が積み立てた基金から出されますが、制度の説明や申請の受付などの事務は市町村が担当しています。

2「民間の保険金の受け取り」

水害の場合、住宅に関しては火災保険、車に関しては任意の自動車保険のうち、車両保険に加入していると、保険金が支払われることがあります。
いずれも水害で補償される契約になっているかどうか、また被害の程度によっても、対象となるかどうかは異なりますので、契約している保険会社か、損害保険に関する電話相談「そんぽADRセンター」0570-022808まで問い合わせてください。

また、保険証券をなくした場合も、日本損害保険協会の「自然災害損保契約照会センター」に問い合わせると、契約している保険会社や契約内容などを調べてくれます。電話番号は、フリーダイヤル0120-501331です。

3「公共料金の免除」

ガスや電気などの公共料金が免除される場合もあります。たとえば九州電力では、災害救助法が適用された市町村と隣接する市町村で契約をしている人に対して、料金の支払いの延長、使っていない期間の料金の免除、電気が使えなくなった場合は基本料金を免除するなどの特別措置を取ることにしています。ガスや水道の料金も免除される場合があるので、契約している事業者に問い合わせてください。

4「税金などの支払い延期や免除」

被害に応じて、所得税や固定資産税などの納付の延期や免除などを受けられることがあります。また国民年金保険料の免除や納付の延期も受けられます。
こうした住宅の支援や経済的支援には必ずしも、り災証明書が必要でない場合もありますが、り災証明書があるとスムーズに手続きを進めることができます。

被災者が受けられる支援については内閣府のホームページに載っています。
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/pdf/kakusyuseido_tsuujou.pdf

また、NPO法人「震災リゲイン」の季刊紙「第17号生活再建支援」でも制度についてまとめていて、ホームページで公開しています。
http://shinsairegain.jp/srp/