南の国から謎の着信 その正体は?

南の国から謎の着信 その正体は?
ふと携帯電話に目を向けると、不在着信の通知。「誰からだろう」とよく見ると、そこには、南太平洋の国「パプアニューギニア」の表示が…。遠く離れた南の島から突然電話がかかってくるという不思議な現象が、日本国内で6月末から相次ぎ、ソーシャルメディアで話題となっています。
(ネットワーク報道部 牧本真由美/藤目琴実)
「パプアニューギニア」という言葉を含む投稿が急激に増えたのは、6月28日(水)。「パプアニューギニアからの番号でワン切りされた、怖い」とか、「パプアニューギニアに知り合いなんかおらんねんけど…」といった書き込みが、ツイッターなどで目立つようになりました。

投稿された着信画面の画像などを見ると、多くの場合、「+675 7089」から始まる番号でした。「675」は国際電話をかける際のパプアニューギニアの国番号です。

2日連続でかかってきたという人や、深夜や早朝に着信があったという人もいました。中には、電話に出たりかけ直したりしたという人もいて、「英語を話す女性の音声が流れて切れた」とか「ひたすら無音だった」などと報告しています。

南の国から突然の電話

「パプアニューギニア」という言葉を含む投稿が急激に増えたのは、6月28日(水)。「パプアニューギニアからの番号でワン切りされた、怖い」とか、「パプアニューギニアに知り合いなんかおらんねんけど…」といった書き込みが、ツイッターなどで目立つようになりました。

投稿された着信画面の画像などを見ると、多くの場合、「+675 7089」から始まる番号でした。「675」は国際電話をかける際のパプアニューギニアの国番号です。

2日連続でかかってきたという人や、深夜や早朝に着信があったという人もいました。中には、電話に出たりかけ直したりしたという人もいて、「英語を話す女性の音声が流れて切れた」とか「ひたすら無音だった」などと報告しています。

NHK職員にも着信が

パプアニューギニアからとみられる電話は、NHKの職員にもかかってきました。ある男性職員に電話があったのは、6月29日(木)の午後8時前。そのときは気づかず、のちにスマートフォンの画面を見て不在着信を知りました。

これまでパプアニューギニアを訪れたことはなく、知り合いもいないため、不審に思ってインターネットで検索してみると、ほかの人にも同じような着信があったことが判明。怪しいので、かけ直さなかったということです。

また、別のNHKの男性記者には、6月29日(木)の未明に着信があり、電話に出たそうです。女性から英語で「あなたを待っていたのよ」と話しかけられ、「どなたですか?」と尋ねると、電話は切れたということです。

男性記者は「女性の声は、今考えると自動音声だったかもしれない。仕事の電話かと思って出たが、なぜパプアニューギニアからかかってきたのか不思議で、怖かった」と話していました。

携帯会社など問い合わせ相次ぐ

「いったい何の電話か」「折り返しかけたが大丈夫か」…。大手携帯電話会社には問い合わせが相次いでいます。消費者からの相談を受け付ける消費生活センターにも、「パプアニューギニアから電話があり、呼び出し音が1回鳴っただけで切れた」という相談が寄せられたということです。

ソフトバンクは、調査のため、発信元として表示された番号に電話をかけました。すると、音がしなかったり、自動音声が流れたり…。少なくとも、通話を目的にかけてきた電話ではないと判断したということです。

そのうえで、日本からパプアニューギニアにかけた場合、ソフトバンクの携帯では30秒当たり249円かかり通話料金が高額になるおそれがあるため、7月3日、「不審な国際電話の着信に関するご注意」という文書をホームページに掲載し、折り返しかけないよう呼びかけています。

ほかの携帯電話会社や消費生活センターも、トラブルを避けるため、不審な番号の着信には出ないこと、また、折り返しかけないことを呼びかけています。

マレーシアでも以前 問題に

外国から不審な電話がかかるという現象は、以前、マレーシアでも起きました。

北部のペナン島にある日本の総領事館は4年前、携帯電話に外国からの不在着信が表示され、折り返しかけた人が高額な通話料を請求されるという「詐欺」が起きているとして、注意を呼びかけました。

このときは、旧ソビエトのラトビアやベラルーシからの着信のほか、日本の国番号「81」に似た「081」から始まる番号の着信もあったということで、現地の日本人に折り返しかけないよう呼びかける事態となりました。

通話料金目当てか プログラムミスか

海外からの突然の着信…、どうして起きるのでしょうか。

情報セキュリティー会社「ネットエージェント」の会長、杉浦隆幸さんは、利用者がアプリのユーザー登録などをした際に行われる「SMS認証」が関係している可能性を指摘しています。

SMS認証は、携帯電話の番号を宛先にして短い文字メッセージを送ることができる「SMS」=ショートメッセージサービスを利用した本人確認の方法です。利用者の「なりすまし」を防ぐため、広く使われています。
利用者が新たにアプリやサービスを使うとき、携帯電話に特定の数字などがショートメッセージで送られ、受け取った利用者がそれを入力することで本人確認ができるというわけです。
杉浦さんは、今回の着信について、2つの可能性を指摘しています。

1つは、SMS認証の過程で電話番号が外部に流出し、着信に気付いてかけ直した人が支払う国際通話料を狙って、意図的に電話がかけられたというケースです。
利用者が支払う国際通話料は、日本の携帯電話会社だけでなく通話先の現地の通信事業者にも入ることになっていますが、何者かがその額を増やし利益を得ようと仕組んだのではないかと考えられています。

もう1つは、アプリの開発段階で単純なプログラムミスが起き、本来意図しない電話がかかってしまうというケースです。
SMS認証の際、「携帯電話にショートメッセージを送る」と設定すべきところを、誤って「電話をかける」としてしまい、アプリの登録などをした人に電話がかかってしまうというわけです。

誰がどんな目的で電話をかけてくるのか…。それを解明するには、発信元の番号の所有者などを突きとめて調べる必要があり、今の時点では特定できないということです。
パプアニューギニア

出ない、かけない、そして料金確認も

それでは、謎の着信があったとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。

杉浦さんは「覚えのない国や番号から着信があったときは電話に出ず、また、折り返しかけないことが大切だ」と指摘しています。
そのうえで、「一般的な対応として、日頃から通話料金の明細を詳しく確認し、不審な請求があれば携帯電話会社に確認することも重要だ」と話しています。

突然現れる携帯の着信表示。豊かな自然で知られる南の島からのいざないと油断せず、十分にご注意ください。

情報をお寄せください

海外からの謎の着信について、取材を進めています。
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