強毒持つヒアリ 神戸港のコンテナ置き場でも約100匹発見

強毒持つヒアリ 神戸港のコンテナ置き場でも約100匹発見
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先月、神戸港に陸揚げされたコンテナから、国内で初めて見つかった、強い毒を持つ南米原産のアリ「ヒアリ」について、神戸市は港のコンテナ置き場でも新たにおよそ100匹が見つかったと発表しました。市は今後も港などで調査を続けるとしています。
南米原産のヒアリは強い毒を持ち、刺されると呼吸困難などのショック症状を起こして死に至ることもあります。

先月26日には、神戸港で陸揚げされ兵庫県尼崎市に運ばれた中国・広東省からのコンテナの中から数百匹以上が国内で初めて見つかり、神戸市などが緊急調査を行いました。

神戸市によりますと、コンテナが5日間保管されていた神戸港のコンテナ置き場で16日、似たアリが見つかり、詳しく調べた結果、18日になってヒアリと確認されたということです。

ヒアリがいたのは、コンテナが保管されていた場所から30メートルほど離れたアスファルトの割れ目などで、これまでに約100匹が見つかったということです。
ヒアリは殺虫剤などで駆除されたということです。
神戸市は今後も港やコンテナが運ばれたところで調査を続けるとしています。

神戸市危機管理室の鍵本敦室長は「港の周辺には一般の人も立ち入ることがあるので見慣れないアリを見たら触らず連絡してほしい」と注意を呼びかけています。

ヒアリについては、アメリカで年間100人以上が死亡しているとされ、10年ほど前からは貨物船などを通じて中国や台湾などにも広がり問題となっています。

「分布拡大を始めているおそれ」

外来生物に詳しい国立環境研究所生物・生態系環境研究センターの五箇公一室長は「ヒアリがコンテナ置き場でも見つかったということは、分布拡大を始めているおそれがある。侵入した初期は、あり塚のような目立つ巣を作るほど数が多くないので、見つけにくい可能性が高い。周辺を広く調べるとともに、気になるアリを見つけたら、すぐに神戸市など関係機関に通報してほしい」と話しています。

「早期発見による駆除が重要」

ヒアリの生態に詳しい、ふじのくに地球環境史ミュージアムの岸本年郎准教授は「ヒアリはこれまでにもアメリカやオーストラリア、中国など多くの国に侵入しているが根絶できたのは早期発見できたニュージーランドしかない。ヒアリは、公園や住宅街の空き地、田んぼなど人間が生活している場所の近くに適応できる特徴があり、国内での定着を防ぐには早期発見による駆除が何よりも重要になる」と話しています。

「2、3年は監視を」

ヒアリの生態に詳しい沖縄科学技術大学院大学の吉村正志研究員によりますと「調査では女王アリが見つかっていないということなので、コンテナの中にいたものが逃げ出した可能性が高く、陸ですでに定着しているという最悪のケースではないと思う。広域に広がる前に根絶することが重要だ。今回確認された港湾地区全体に監視を広げ、2、3年は監視を続ける必要がある」と指摘しています。

相次ぐ外来昆虫の脅威

海に囲まれた島国の日本は、歴史的に見て外来生物の侵入が比較的抑えられてきました。しかし、国境を越えた人や物の移動が活発になるにつれ、外来種が国内に多く侵入できる環境が整いつつあります。
また都市化が進んだ結果、国内の従来の生態系が破壊され、外来種の天敵が不在になり、侵入・定着しやすい環境も生まれています。

ヒアリ以外にも、いま国内で新たに問題となっている外来の昆虫は少なくありません。
その1つが中国原産の大型のカミキリムシ「クビアカツヤカミキリ」です。
5年前に愛知県で初めて確認されて以降、7つの都府県で侵入が確認されています。
この幼虫が各地のサクラやモモの木の幹を食い荒らし、徳島県では、モモの農家が、大きな被害を受けるなどしています。