米次期駐日大使 公聴会で日本の市場開放に意欲

米次期駐日大使 公聴会で日本の市場開放に意欲
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アメリカのトランプ大統領が新しい駐日大使に指名したハガティ氏が議会の公聴会に臨み、貿易赤字を削減するため日本の市場開放に意欲を示すとともに、北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させるため日米で連携して圧力をかけていく方針を強調しました。
アメリカの新しい駐日大使に指名された、トランプ大統領の政権移行チームの元幹部、ウィリアム・ハガティ氏は18日、議会上院の外交委員会で指名承認のための公聴会に臨み、初めて公の場で対日政策について発言しました。

この中でハガティ氏は「私は日本に対する貿易赤字を削減するため、日本の市場へのアメリカ企業のアクセスを拡大したい」と述べ、農産物の関税の引き下げや、自動車市場の非関税障壁の見直しなど日本の市場開放を実現することに意欲を示しました。

また、「北朝鮮の核・ミサイル開発や東シナ海や南シナ海での中国の行動など急速に増大する安全保障上の課題を前に日米同盟へのアメリカの関与がこれまで以上に重要だ」と述べ、北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させるため日米や韓国も加えた日米韓3か国で緊密に連携して圧力をかけていく方針を強調しました。

ハガティ氏は議会上院の承認が得られれば、オバマ前政権の2期目に起用されたケネディ氏の後任としてことしの夏にも日本に着任する見通しです。

専門家「ビジネスセンスは強み」

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学、ライシャワー東アジア研究所の所長で、フォーリー元駐日大使の補佐官を務めた経験もあるケント・カルダー氏は、NHKのインタビューに対し、「ハガティ氏はトランプ大統領の信頼を得ており、ビジネスのセンスや戦略を持っている。駐日大使として強みになるだろう」と指摘しました。

そのうえで「トランプ大統領は商取引や高速鉄道計画のようなインフラ事業に重点を置いている。ハガティ氏は経済的な取り引きを成立させたり、アメリカに投資を呼び込んだりするため重要な役割を担うと思う」と述べました。

そして、トランプ政権がTPP=環太平洋パートナーシップ協定に代わって意欲を示す日米2国間の貿易協定の締結に向けてハガティ氏が日本政府との交渉役を担うことも予想されると指摘しました。

また、「アメリカが日本に対して多額の貿易赤字を持つのは事実で、多くの製造業者が日本の市場へのアクセスについて懸念を持っているが、ハガティ氏は日米の経済関係にとってウィンウィンの解決策を模索すると思う」と述べました。

総理大臣補佐官「本当に優秀な人材」

公聴会を傍聴した河井総理大臣補佐官は、NHKの取材に対し「ハガティ氏とは個人的に以前から面識があるが、きょうは連邦議員の質問によどみなくしっかりと受け答えをしている姿が印象的だった」と述べました。

そのうえで「トランプ大統領の信頼が厚くホワイトハウスに直結した人物だ」として「本当に優秀な人材だと確信し、立派な大使として連邦議会で承認されて赴任されることを期待している」と述べました。また、公聴会には佐々江駐米大使らも傍聴に訪れていました。

議会上院 外交委員長「すぐに承認される」

アメリカの新しい駐日大使に指名されたハガティ氏の公聴会を開いた議会上院のコーカー外交委員長はNHKの取材に対し「彼は間違いなくすぐに承認されるだろう。本当にすばらしい候補だ」と称賛し、来週にも委員会で手続きが行われ、承認されるという見通しを明らかにしました。そのうえで「日米のすばらしい関係を引き続き構築するために力を注いでくれるだろう」と述べ、ハガティ氏への期待を示しました。