ネットで熱い議論 水族館でのフラッシュ あり?なし?

ネットで熱い議論 水族館でのフラッシュ あり?なし?
沖縄県の人気観光スポットの水族館で、カメラのフラッシュ撮影が原因でマグロが水槽に衝突して死んだ、という情報が動画とともにツイッターに投稿され、拡散しました。ネットユーザーからは、「フラッシュ撮影は禁止されておらず、誤った情報だ」という指摘が出た一方で、実際に関係者に取材すると、水族館によってフラッシュ撮影への考え方が異なることがわかりました。
この情報は先月30日夜にツイッターに投稿されたもので、沖縄美ら海水族館の水槽を撮影した動画とともに、「フラッシュに反応したマグロが水槽に衝突して死んだ」として、「フラッシュはやめよう」と呼びかけています。

これに対して別のユーザーから「水族館の公式ホームページでは、個人の撮影ではフラッシュを使ってもかまわないと明記されている」と否定する指摘がありましたが、「水族館でフラッシュ撮影を認めていること自体が驚き」という反論もあって議論が広がり、元の投稿は1日夕方までに2万回以上リツイート(拡散)されました。

フラッシュに驚いたマグロが衝突死?

この情報は先月30日夜にツイッターに投稿されたもので、沖縄美ら海水族館の水槽を撮影した動画とともに、「フラッシュに反応したマグロが水槽に衝突して死んだ」として、「フラッシュはやめよう」と呼びかけています。

これに対して別のユーザーから「水族館の公式ホームページでは、個人の撮影ではフラッシュを使ってもかまわないと明記されている」と否定する指摘がありましたが、「水族館でフラッシュ撮影を認めていること自体が驚き」という反論もあって議論が広がり、元の投稿は1日夕方までに2万回以上リツイート(拡散)されました。

水族館の担当者は

沖縄美ら海水族館には毎日多くの人が訪れ、フラッシュ撮影している人もいますが、担当者によりますと、少なくともこの数か月間でマグロが水槽で死んだ例はないということで、投稿された動画は数年前に撮影されたものが拡散したと見られています。

担当者は「マグロの水槽での衝突死については全国の水族館で報告例があるが、フラッシュによる影響は少ないと考えている。今後もフラッシュ撮影を禁止する予定はない」と説明しています。

また、ネットには「美ら海水族館の水槽はマジックミラーのように、魚から外が見えないようになっているので、外からフラッシュ撮影しても大丈夫」という情報もありましたがそれは「偽情報」で、魚から外は見えるということでした。

ほかの水族館を取材すると

沖縄美ら海水族館で飼育しているマグロは、クロマグロとキハダで、いずれも個人のフラッシュ撮影は認められていますが、取材を進めると、フラッシュの影響についての考え方は、水族館によって異なっていました。

クロマグロまたはキハダを飼育している水族館は国内に4つあり、沖縄と同様、個人のフラッシュ撮影を認めているのは、福島県の「アクアマリンふくしま」です。

一方で、東京の「葛西臨海水族園」では、「展示している生物を保護するため」として、フラッシュを使った水槽の撮影は、クロマグロだけでなく、ほかの生物も全面的に禁止しています。

続いて、和歌山県の「串本海中公園」では、クロマグロが光などの刺激に敏感だとして、クロマグロの飼育水槽のみフラッシュ撮影を禁止し、それ以外の水槽では許可しているということでした。

そして、鹿児島県の「いおワールドかごしま水族館」では、クロマグロとキハダ、深海生物、そしてアオリイカの水槽についてフラッシュ撮影を禁止し、それ以外は許可していました。

水族館によりますと、過去にあったマグロの衝突死の原因がフラッシュ撮影だったのかどうか、科学的な検証が難しいものの、光に弱い生物へのリスクを少しでも減らすために、フラッシュ撮影を禁止しているということです。
フラッシュ撮影を許可している水槽は、もともと強い照明を当てているため影響がないと見られるほか、水族館で生物を撮影して記念にしてもらうことも大切という考えから許可しているということです。

専門家「水族館には教育的機能も」

ネットでは「少しでもマグロに影響があるかもしれないなら、フラッシュ撮影は禁止するべきでは」といった意見も見られます。

水族館での展示やマグロの生態に詳しい、東海大学海洋学部の秋山信彦教授は、「マグロは基本的に極めて光に敏感で、光に驚いて水槽内を突進する『驚がく行動』を起こすほか、光に慣れることもないので、フラッシュによる刺激は避けることが望ましいとは言えます。ただし水槽の明るさによってフラッシュの影響は変わってくるため、一概にはいえず、水族館の状況に応じた判断が必要です」とのことでした。

一方、京都大学フィールド科学教育研究センターの加藤哲哉技術職員は「フラッシュ撮影が無いに越したことはありませんが、水族館には『教育的機能』も求められる」と指摘します。「生物の保護と教育的機能のどちらを優先するかによって対応は変わります。水槽の大きさや来館者の数によっても状況は異なるため、個々の水族館が判断すべき」と話しています。

フラッシュ撮影が生物にどの程度のショックを与えるかについて十分なデータがない中で、少しでもリスクを避けるために一律禁止とするか、水族館の教育的機能などを優先させるのか、結論は出ておらず、個々の水族館の役割や運営方針も含めて総合的に考えていく必要がありそうです。
(沖縄放送局:金城好仁記者 科学文化部:黒瀬総一郎記者)