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3月25日のニュース

原子力規制委員長 敷地内保管には地元理解が必要

原子力規制委員会の田中委員長は東京電力福島第一原子力発電所の事故から5年の今月、NHKのインタビューに応じ、事故で溶け落ちた核燃料などの廃棄物について、搬出先が決まるまでの長期間、原発の敷地内に保管せざるをえない状況が予想されるとして、早い段階から地元の理解を得る必要があるという考えを示しました。
福島第一原発の3基の原子炉で溶け落ちた核燃料について、国や東京電力は、5年後の平成33年に安全を確保した状態で取り出しを始めるとしていますが、その後の保管場所や最終処分地は決まっていません。
これについて原子力規制委員会の田中俊一委員長は「溶け落ちた燃料などの放射性廃棄物をどこかに持っていけと空理空論を言うのは簡単だが現実味がない。原発に長期に安定保管するしかないと思う」と述べ、最終処分地などの搬出先が決まるまでの長期にわたり、原発の敷地内に保管せざるをえない状況が予想されると指摘しました。そのうえで、「廃炉を進めるには住民の理解を得る必要があり、そのためには誠意をもって住民に向き合うしかない」と述べ、国や東京電力は敷地内での長期保管の必要性を早い段階から地元に説明し、理解を得る必要があるという考えを示しました。
これについて東京電力は「溶け落ちた燃料の保管場所や方法は取り出しを始めたあとに決めることになっていて、国と相談しながら検討したい。廃炉作業は地元に丁寧に説明し理解を得ながら進めたい」としています。

地元の大熊町 渡辺町長「長期保管には反対」
東京電力福島第一原子力発電所が立地する大熊町の渡辺利綱町長は、正式な説明があるまでは本来、コメントする立場にはないとしたうえで、「長期間とは、どの程度の期間なのか分からないが、大熊町としても、双葉郡全体としても、核燃料デブリの原発構内での長期保管というのはあってはならないと思う」と話しました。そのうえで、「取り出したデブリなどは国が責任を持って、早い段階で県外に安全に保管することが大事だ」と原子力規制委員長の発言に懸念を示しました。

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