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3月16日のニュース

汚染水被ばく量 東電が低減の見通しまとめる

  • 汚染水貯蔵タンク

東京電力福島第一原子力発電所では、タンクに保管している大量の汚染水から出る放射線が敷地の外にも影響を及ぼしていることが問題となっています。
これに対して東京電力は、今後の処理によって今年度中に敷地境界での被ばく量を年間1ミリシーベルト未満まで下げられるという見通しをまとめ、16日、国などに示す方針です。
福島第一原発では、建屋などからくみ上げた高濃度の汚染水などおよそ60万トンを敷地内のタンクで保管していて、こうした汚染水から出る放射線によって、敷地境界にとどまり続けた場合の被ばく量は年間3.5ミリシーベルト程度に上るとされています。
このため原子力規制委員会は、東京電力に対し、今年度中に年間1ミリシーベルト未満に下げるよう指示していました。
これに対して東京電力は、今後の汚染水処理の計画を詳しく検討した結果、今月末までに汚染水全体のおよそ8割で放射性物質の量を減らすことができ、年間1ミリシーベルト未満という目標を達成できるとする見通しをまとめました。
また、東京電力は汚染水の処理を終える期限について、今年度中としていた当初の目標の達成を断念していましたが、これについてもほとんどの汚染水についてことし5月末までに少なくとも1度は処理を終えるという新たな目標をまとめ、16日、国などに報告することにしています。
福島第一原発では、現在、1日およそ7000人の作業員が廃炉や汚染水対策の工事などに当たっていて、汚染水から出る放射線量が下がれば、作業環境も改善すると期待されています。
一方で、汚染水を処理したあとも一部の放射性物質は残るため、タンクで保管し続ける必要があり、行き場のない状況は続くことになります。

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