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9月12日のニュース

菅元首相の原発訪問 意見に隔たり

東京電力福島第一原発の事故について、政府の事故調査・検証委員会の証言記録からは、菅直人元総理大臣が、事故発生の翌日に福島第一原発を訪問したことについて、「普通の文系の政治家よりは理解できる私自身が行ったほうがいいのではないか」と述べる一方、枝野元官房長官は「政治的には絶対にありえないです」と述べるなど、政府内でも意見の隔たりがあったことをうかがわせています。
菅元総理大臣は福島第一原発の事故が発生した翌日の3月12日の早朝に、ヘリコプターで現場を訪問しました。
この訪問について福島第一原発の吉田昌郎元所長は、証言記録の中で、事故対応に追われるなか、部下に現場を任せて1人で対応したと説明しています。
そのうえで、「現場は大変ですよということは言いましたけれども、何で大変なのかということですね、十分に説明できたとは思っていません。自由発言できる雰囲気じゃないですか首相の場合、えっということを聞かれるのに答えているだけですから」と話し、厳しい口調で問いただす菅元総理大臣に状況を伝えるのに苦慮したことを証言しています。
これに対し菅元総理大臣は、「やはり現場の責任者ときちんと会って話をしたほうがいいと私なりに判断しました」「私は原子力の専門家ではありませんけれども、放射性物質を使った実験ぐらいは学生実験でやったことがありますから、多少の土地勘はあるわけです」「一般的な意味では普通の文系の政治家よりは理解できる私自身が行ったほうがいいのではないかということも併せて考えたことは考えました」と証言し、原発に関する知識への自負が、判断の背景にあったことを明らかにしています。一方、当時の枝野官房長官は、菅元総理大臣が現場を訪問すると、聞かされたときの対応について、「パフォーマンスだと言われるに決まっています。政治的には絶対にありえないです」「こんなところで東京を離れること自体、どんなに結果がよくても、たたかれるのはよく分かっていました」と話し、説得を試みながらも聞き入れられなかったことを明らかにしています。
また、細野元総理大臣補佐官も、「やはり指揮官が離れるということに関しては反対だったんです」としたうえで「ものすごくあの人は苛烈な性格なんですよね」「このことに関しては自分がなんとかしなくてはならないという意識はすごく持っていましたよね。その総理のスイッチが入ったというか」と話し、説得は難しいと考えていたとしています。
2人の証言からは当時、政府の内部でも、事故対応の方針を巡って隔たりがあったことが分かり、改めて当時の対応が問われそうです。

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