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9月12日のニュース

被ばく線量上限引き上げ巡り反対意見

東京電力福島第一原発の事故について、11日に公開された政府の事故調査・検証委員会の証言記録で、緊急時の被ばく線量の上限を引き上げるかどうかを巡って、現場で事故対応に当たる防衛省や警察庁から反対する意見が出ていたことが分かりました。
原発事故などの緊急時に対応する作業員や自衛官、警察官などの被ばく線量の上限は法令で100ミリシーベルトとされていますが、福島第一原発の事故では、上限を超える作業員が相次ぎ、国は急きょ、事故の3日目の3月14日から上限を250ミリシーベルトに引き上げました。
政府の事故調査・検証委員会の報告書によりますと、政府はその3日後にさらに500ミリシーベルトに引き上げることを検討していますが、このときの対応について当時の北澤防衛大臣は、証言記録の中で、「原子力の災害対策本部の会議だと思うが、そこで私はあまりにも唐突過ぎると。かえって国民に不安感を与えるという意見を言って、防衛省の中のみんなの意見も同じ意見でね、防衛省とすれば反対だということで、それを文書でまとめて総理の所に持って行った」と話しています。
また、当時の中野寛成国家公安委員長も、「会議のあと、私は警察庁に戻って、長官等の幹部と話したあと、私自身としては、急激に上げすぎではないか、慎重に考えたほうがいいのではないかとの印象を持った」と述べるなど、現場で事故対応に当たる省庁から反対の声が上がっていたことが明らかになりました。
このときは結果的に500ミリシーベルトへの引き上げは見送られましたが、緊急時の被ばく線量の上限については現在、原子力規制委員会が見直しを検討していて、公開された証言記録は深刻な事故の対応に伴う被ばく線量を巡る問題の難しさを示しています。

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