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9月11日のニュース

政府 吉田元所長らの証言記録を公開

東京電力福島第一原子力発電所の事故で現場の指揮に当たった吉田昌郎元所長や、当時の菅総理大臣などから、政府の事故調査・検証委員会が聞き取った証言の記録が11日、公開されました。
証言からは、全員撤退しようとしていたかどうかなどを巡って政府と東京電力が互いに不信感を高めて混乱を招いた様子がうかがえるのに対し、吉田元所長は「現場は逃げていない」などと強い不快感を示しています。
公開されたのは、福島第一原発事故の原因などを検証するため、政府の事故調査・検証委員会が3年前からおととしにかけて聴き取りを行った772人の関係者のうち、吉田元所長や当時の菅総理大臣、海江田経済産業大臣などの政治家を含む合わせて19人分の証言の記録です。
証言の記録は当初は非公開とされましたが、報道各社が吉田元所長の証言記録を入手したとする記事を相次いで掲載したことなどから政府は当初の方針を転換し、11日、公開しました。
このうち、東京電力が福島第一原発から全員撤退しようとしていたかどうかを巡る証言では、吉田元所長が総理大臣官邸にいた当時の細野総理大臣補佐官に電話で、「関係ない人は退避させる必要があると私は考えています、今、そういう準備もしています」と伝えたとしているのに対し、細野氏の記録では「本当に人生で初めての緊張感の中でやっていたので、そこは覚えていない」としています。
また、当時官房長官だった枝野氏は、当時の東京電力の清水正孝社長とのやり取りについて、「東電が撤退の話をしているみたいな話もどこかで出てきて、そうしたら私あてにも清水社長から電話がかかってきて、私にも同じ趣旨のことをおっしゃった」としたうえで、「生の言葉は、この件に限らず余り正確な記憶をしてないが、ただ間違いなく全面撤退の趣旨だったと、これは自信がある。みんな別々に電話を受けているから、勘違いとかはあり得ない」と証言しています。
一方、菅元総理大臣は、東京電力本店に出向いた際のやり取りについて、「皆さんは当事者です。命をかけてください。逃げても逃げ切れない。日本がつぶれるかもしれないときに撤退はあり得ない。会長、社長も覚悟して決めてくれ。60歳以上が現場に行けばよい。自分はその覚悟でやる。撤退はあり得ないし、撤退したら東電はつぶれる」などと述べたとしています。
さらに、当時経済産業大臣だった海江田氏は、清水社長を総理大臣官邸に呼んだことについて、「全体の雰囲気からすれば、不信感が一番頂点に達して、とにかく呼んできて、はっきり言い渡さなければだめだ、何を考えているのだということだったと思う」と振り返っていて、福島第一原発から全員撤退しようとしていたかどうかなどを巡って、政府と東京電力が互いに不信感を高めて混乱を招いた様子がうかがえます。
こうした経緯について吉田元所長は証言記録の中で「何を馬鹿なことを騒いでいるんだと、私は一言言いたいんですけれども、逃げてはいないではないか、逃げたんだったら言えと。現場は逃げたのか、逃げていないだろう。これははっきり言いたいんです。逃げろなんてちっとも言っていないではないか」と強い不快感を示しています。
政府は年内をめどに同意が得られた人から順次、証言を公開していく方針で、公開された証言記録は内閣官房のホームページから閲覧することができます。

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